~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 れっきとした才女の登場にジェミーの期待は高まるが、隣のパネマは冷静に尋ねた。

「ではシェリンさん、ひとつお伺いしたいことが。家具職人の娘さんだということですが、どうしてわざわざこちらに勤めたいと?」

 パネマが問いたいのは、家業を継ぐという選択肢はないのかということだろう。学生なのだし、放課後の短期的な就労になると思うが、家業が安定して収入を得られているのならば無理に外に出て働く必要はない。将来的に家を手伝うのならばそちらに集中した方がいいのではと思うのは当然だ。

 その問いに、きりっとした表情でシェリンは答えた。

「実は、我が家の経営状況はあまり好ましくなくて。しばらく前に母が亡くなり、父はそれ以来塞ぎがちで店をあまり開かなくなって、残っていた借金の利息が積み重なっていく状態なのです。父にも私に仕事を教えてって頼んだんですが、女じゃ使い物にならないって一方的に跳ね除けられて、どうしようもなくて」

 シェリンは悔しそうに唇を噛むと、ジェミーたちに懇願した。

「お願いします! このままじゃ、父と母の思い出の店が借金のカタに取られてしまう! ここで働かせてください、私にはお金が必要なんです!」