~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「それで、あなたがどういうつもりであのような文章を送ったのか聞いてもよろしい? トーミアス卿」
「ルゼでかまいませんよ。ペリエライツ公爵令嬢殿」
「ならばこちらもジェミーとお呼びください、ルゼ様」

 彼は紛うことなく、度々学内で目にすることがあった、ジェミーと同学年の黒髪紅瞳の美男子である。
 ルゼ・トーミアス、彼は部屋にジェミーたちを引き入れてそう名乗り、自分こそがこの屋敷の主であると告げたのだ。

 普通ならば学生である彼が当主然として振る舞えば、どこか背伸びしたような拙さが滲み出るものだが、ジェミーの目からはこの上なく自然体に見える。
 そして彼はこうも言った。

「そうだなぁ。まずひとつ、手紙の件についてご理解いただきたいのは、僕が自身の意志のもと行ったのではない、ということです」
「ということは、第三王子派閥の?」
「そういうことですね」

 彼はゆったりとした動作でカップを傾けた。その所作もこなれている。