~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

「変なことを頼むつもりじゃありませんわよね」
「そこはオレを信用しな。ちなみにお前、第二王子殿下とどっかの夜会に参加する予定とかある?」
「ありませんけど? あっ」

 クラフトと距離を置こうとしていることはまだ誰にも秘密なのに。
 ジェミーがきょとんとした後失言に口を閉ざすと、ウィンダスは苦笑を見せた。

「ははは、安心しろ。お前の考えはわからんが、父上にいちいち報告したりしないさ。しかし、どうしてお前がクラフト殿下から興味を失くしたのか、ちょっとだけ教えるつもりはないか?」

 さすが公爵家の跡取り。なかなか鋭いところを見せる兄に、ジェミーは慌てて言い訳する。

「そ、そんなことはないんですの。これは私の気持ちの問題でして。王族の方と婚約するにはふさわしい格が必要ですもの。今の私では、その資格があると自信を持って言えないだけです」
「へー? おかしなもんだ。前までなら逆に、私を差し置いてどこの誰が殿下と婚約するに値するものかしら――くらいのことは言ってみせたと思うぜ」
「うー、ひどい。私はそこまで高慢ちきじゃありませんわ」

 勘ぐる兄の視線を躱そうとジェミーがそっぽを向くと、ウィンダスはからっと笑った。