~転生悪役令嬢の裏道攻略~ シークレットキャラとたどり着く、処刑回避後のハッピーエンド

 セニアの瞳の温度が目に見えて急降下。もはやジェミーも寒気を覚えるほどだ。劇中でも、こんなヒロインのイメージが崩れる表情は見たことがない。
 ここは早いところ、この場から退出したいところだが、ジェミーはその前にひとつ彼に尋ねておかないといけないことがあった。

「そうそう。そういえば、おもしろい噂を聞きましたの。どうもお忍びで第三王子殿下が、この学園にいらっしゃっているとかいないとか」
「おやおや? そんなことになっているんだね」

 おっと、とクラフト殿下はまるで知らなかったというように首を傾げる。なかなかのとぼけようで、その姿は不自然なところは全然なく、ジェミーが物語の内容を知っていなければころりと騙されてしまうところだ。しかし、さすがに自分の弟が同じ学校に入学しているのを知らないなんてあり得ないはず。

「ええ、それでもしよかったらクラフト殿下に、世間に顔をいっさいお見せにならないあの第三王子殿下がどのようなお方なのかお聞きできればと」
「アルサイドのことに興味があるのかい?」

 その言葉に殿下がおもしろそうに反応したので、ジェミーはこう言い繕う。