昇降口まで歩いてきたのはいいけれど柱の陰で香澄がいきなり泣き始めた。 「律子、どうする?」
「どうするったってどうもこうもしようがないわよ。」 「そうねえ。 泣きだすと長いから。」
二人が困っている所に久保山先生が通りかかった。 「お前たち、何やってんだ?」
二人は黙ったまま香澄を指差す。 「何だ、いつものことか。」
何を思ったのか、久保山先生は何も言わずに行ってしまった。 俺は何も知らずに階段を下りてきた。
「どうなってんだい?」 香澄は柱の陰で泣いてるし、律子と小百合は呆然と見詰めている。
「香澄ちゃん、、、。」 「分かった。 俺が何とかするから。」
ということで彼女でもないのにまたまた俺が面倒を見ることになっちまった。
「しょうがねえお嬢様だなあ。」 「だからそれはやめてって。」
「泣いたり暴れたり消えたり出てきたりし過ぎなんだよ お前。」 「しょうがないでしょ。 宏明君が悪いんだから。」
「いい加減にしろよ‼」 我慢に我慢してきた俺も我慢できずに切れちまった。
香澄を放り出して駅へ歩いて行く。 振り向く気にもなれない。
そのまま駅まで行って入ってきた電車に乗って、、、。
香澄はというと俺が突然切れたもんだからボーっとしている。 (何がどうしてどうなったの?)
校門にまで来たけれどその前でしゃがみ込んでしまった。 しばらくは誰も来る気配が無い。
冷たくなってきた風が容赦なく吹き付けてくる。 ハラハラと枯葉が舞い落ちてくる。
もうすぐ12月。 寒くなるのも当たり前。
香澄は座り込んだまま泣き始めた。 「何でいきなり怒るのよ? 何が有ったの?」
もう辺りはかなり薄暗くなっていて陸上部の連中だけが大きな声を出している。 「浦川。 何してるんだ?」
そこへ車に乗った久保山先生が通りかかった。 「いえ、何でも、、、。」
「嘘吐くな。 何か有ったんだろう?」 「何にも。 さようなら。」
香澄は久保山先生を振り切ると駅へ走っていった。 「変だな。」
その後ろから律子たちが歩いてきた。 「おいおい、浦川が変なんだけど知ってるか?」
「香澄が?」 「いつものことでしょう?」
「そうとは思えんなあ。 お前たち虐めたんじゃないか?」 「虐めるなんてそんな、、、。」
「まあ学生時代はいろんなことが起きる。 卒業前なんだから気を付けてくれよ。」 「はあ、、、。」
取り敢えず駅まで行ってみる。 「あれあれ? 居ないぞ。」
「電車に乗るんだったら待ってるはずよね。」 「またどっかに消えたかな?」
「私さあ、本屋見てくるわ。」 「お願いね。」
時刻表を確認した小百合は俺に電話を掛けてきた。 「どうしたんだよ?」
「香澄が、、、。」 「あんなの知らねえよ。 ほっといてくれ。」
「どうしたんだろう? 宏明君もおかしい。」 小百合は解けない謎が増えたみたい。
ベンチに座ると向かい側のホームをボーっと見詰めている。 そこへ律子が戻ってきた。
「どうだった?」 「居ないわよ。」
「そっか。 宏明君も機嫌悪いしどうしたらいいんだろうねえ?」 「え? 宏明君が?」
「さっきさあ電話したのよ。 そしたらほっといてくれって。」 「弘明君も我慢できなくなったのね。」
「これじゃあ大問題だわ。 何とかしなきゃ、、、。」
二人が悩んでいるとミナッチがやってきた。 「あらあら二人でどうしたの?」
「実は、、、。」 律子はこれまでの経緯を話してみた。
「それは難問だなあ。 あれもこれも重なっちゃって。」 「そうなんですよ。」
「だいたいさあ何で香澄ちゃんをそこまで追い詰めたわけ?」 「それは、、、。」
ミナッチの追及に二人は黙り込んだ。 「しょうがないわね。 大騒ぎになる前に探しましょう。」
それでまたまた本屋から脇道まで探し回ってるんですけど見付かりません。 その頃、香澄はというと、、、。
いつも乗ってるのとは反対の電車に乗ってぼんやりしております。 高松が原までやってきた。
もう40分くらい乗ってまして降りたことの無い駅です。 「ここって何処だったっけ?」
電車を降りた香澄は反対側のホームへ向かいました。 もうすぐ8時。
澤山台方面に向かう電車はしばらく来ません。 そこへ電話が掛かってきた。
「香澄か? 今何をしてるんだ?」 「お父さん、、、。」
「えらく帰ってこないけど何をしてるんだ?」 「電車、間違えちゃった。」
「また鶯まで行ったのか?」 「違うの。 高松が原。」
「えーーーー? そっちのほうかい?」 「うん。」
「電車は有るのか?」 「あと40分くらい。」
「しゃあねえなあ。 迎えに行くから待合室に居なさい。」 それで香澄は改札を出てきたんだけど、、、。
終電間近とあって客が居るはずも無く待合室はガランとしてます。 静かな所を貨物列車が勢い良く走っていくもんだからそのたびにビクッとして、、、。
「お腹空いたなあ。」 売店も有るけど営業時間は終わっていて真っ暗。
律子はというと何処を探しても香澄が見当たらなくて不安なまま家に帰ってきました。 「やっちゃったなあ、、、。」
俺はというとそんなこととはつい知らず。 のんびり夕食を食べております。
姉ちゃんは仕事の準備とかでさっさと食べて寝ちまったんだとか。 (今夜は平和だな。)
そう思っていると電話が掛かってきた。 「誰なんだろう?」
暢気に出てみると律子だ。 「ねえねえ知らないかな? 香澄がまた行方不明になったのよ。」
「は? またかい?」 「うん。 下山先生にまで頼んで探してもらったけど見付からないの。」
「そうなのか。」 「弘明君は何か知らない?」
「俺さあ、あいつと喧嘩してるから何も知らないよ。」 「そうなのか。」
悲しそうな律子の声を聴きながらスマホを置く。 床に寝転がるとまた電話が掛かってきた。
「今度は誰なんだよ?」 番号を確かめると知らない相手だ。
用心しながら出てみる。 「もしもし?」
「こんばんは。 下山です。」 「ミナッチ、、、。」
「香澄ちゃんのことなんだけど、、、。」 「なんか行方不明なんだって?」
「そう。 小百合ちゃんたちからも話は聞いたわ。 ちょっとやり過ぎたみたいね?」 「そりゃあ、、、。」
「廊下で騒がれたんだって? それじゃあ恥ずかしくて居られないわよ。 分かってるかなあ?」 普段は面白いミナッチも今夜ばかりは真剣だ。
「それで弘明君とは何が有ったのかな?」 「いつも通りにくっ付いてきたからうるせえって怒鳴っちゃったんだ。」
「あらまあ、そこまでやったのね?」 「しつこいからさあ、あいつ。」
「だからって怒鳴るのは良くないと思わない?」 「そうだね。」
「香澄ちゃんには宏明君しか見えてないのよ。 分かってあげてほしいなあ。」 (分かりたいのはやまやまなんだけど、、、。)
ミナッチが電話を切った後、心配になって香澄にメールをしてみた。
『何処をさ迷ってるんだ? メス豚さん。』
でもメールは返ってこない。 電源を切ってるらしい。
「風呂にでも入ってれば返事くらい来るだろう。」 そう思って風呂に入ってみる。
それから戻ってきても返事は返ってこない。 (心配だな、、、。)
とは思うものの真夜中に出掛けるわけにもいかない。 「朝になれば何か分かるだろう。」
そう思って寝ることにした。
「どうするったってどうもこうもしようがないわよ。」 「そうねえ。 泣きだすと長いから。」
二人が困っている所に久保山先生が通りかかった。 「お前たち、何やってんだ?」
二人は黙ったまま香澄を指差す。 「何だ、いつものことか。」
何を思ったのか、久保山先生は何も言わずに行ってしまった。 俺は何も知らずに階段を下りてきた。
「どうなってんだい?」 香澄は柱の陰で泣いてるし、律子と小百合は呆然と見詰めている。
「香澄ちゃん、、、。」 「分かった。 俺が何とかするから。」
ということで彼女でもないのにまたまた俺が面倒を見ることになっちまった。
「しょうがねえお嬢様だなあ。」 「だからそれはやめてって。」
「泣いたり暴れたり消えたり出てきたりし過ぎなんだよ お前。」 「しょうがないでしょ。 宏明君が悪いんだから。」
「いい加減にしろよ‼」 我慢に我慢してきた俺も我慢できずに切れちまった。
香澄を放り出して駅へ歩いて行く。 振り向く気にもなれない。
そのまま駅まで行って入ってきた電車に乗って、、、。
香澄はというと俺が突然切れたもんだからボーっとしている。 (何がどうしてどうなったの?)
校門にまで来たけれどその前でしゃがみ込んでしまった。 しばらくは誰も来る気配が無い。
冷たくなってきた風が容赦なく吹き付けてくる。 ハラハラと枯葉が舞い落ちてくる。
もうすぐ12月。 寒くなるのも当たり前。
香澄は座り込んだまま泣き始めた。 「何でいきなり怒るのよ? 何が有ったの?」
もう辺りはかなり薄暗くなっていて陸上部の連中だけが大きな声を出している。 「浦川。 何してるんだ?」
そこへ車に乗った久保山先生が通りかかった。 「いえ、何でも、、、。」
「嘘吐くな。 何か有ったんだろう?」 「何にも。 さようなら。」
香澄は久保山先生を振り切ると駅へ走っていった。 「変だな。」
その後ろから律子たちが歩いてきた。 「おいおい、浦川が変なんだけど知ってるか?」
「香澄が?」 「いつものことでしょう?」
「そうとは思えんなあ。 お前たち虐めたんじゃないか?」 「虐めるなんてそんな、、、。」
「まあ学生時代はいろんなことが起きる。 卒業前なんだから気を付けてくれよ。」 「はあ、、、。」
取り敢えず駅まで行ってみる。 「あれあれ? 居ないぞ。」
「電車に乗るんだったら待ってるはずよね。」 「またどっかに消えたかな?」
「私さあ、本屋見てくるわ。」 「お願いね。」
時刻表を確認した小百合は俺に電話を掛けてきた。 「どうしたんだよ?」
「香澄が、、、。」 「あんなの知らねえよ。 ほっといてくれ。」
「どうしたんだろう? 宏明君もおかしい。」 小百合は解けない謎が増えたみたい。
ベンチに座ると向かい側のホームをボーっと見詰めている。 そこへ律子が戻ってきた。
「どうだった?」 「居ないわよ。」
「そっか。 宏明君も機嫌悪いしどうしたらいいんだろうねえ?」 「え? 宏明君が?」
「さっきさあ電話したのよ。 そしたらほっといてくれって。」 「弘明君も我慢できなくなったのね。」
「これじゃあ大問題だわ。 何とかしなきゃ、、、。」
二人が悩んでいるとミナッチがやってきた。 「あらあら二人でどうしたの?」
「実は、、、。」 律子はこれまでの経緯を話してみた。
「それは難問だなあ。 あれもこれも重なっちゃって。」 「そうなんですよ。」
「だいたいさあ何で香澄ちゃんをそこまで追い詰めたわけ?」 「それは、、、。」
ミナッチの追及に二人は黙り込んだ。 「しょうがないわね。 大騒ぎになる前に探しましょう。」
それでまたまた本屋から脇道まで探し回ってるんですけど見付かりません。 その頃、香澄はというと、、、。
いつも乗ってるのとは反対の電車に乗ってぼんやりしております。 高松が原までやってきた。
もう40分くらい乗ってまして降りたことの無い駅です。 「ここって何処だったっけ?」
電車を降りた香澄は反対側のホームへ向かいました。 もうすぐ8時。
澤山台方面に向かう電車はしばらく来ません。 そこへ電話が掛かってきた。
「香澄か? 今何をしてるんだ?」 「お父さん、、、。」
「えらく帰ってこないけど何をしてるんだ?」 「電車、間違えちゃった。」
「また鶯まで行ったのか?」 「違うの。 高松が原。」
「えーーーー? そっちのほうかい?」 「うん。」
「電車は有るのか?」 「あと40分くらい。」
「しゃあねえなあ。 迎えに行くから待合室に居なさい。」 それで香澄は改札を出てきたんだけど、、、。
終電間近とあって客が居るはずも無く待合室はガランとしてます。 静かな所を貨物列車が勢い良く走っていくもんだからそのたびにビクッとして、、、。
「お腹空いたなあ。」 売店も有るけど営業時間は終わっていて真っ暗。
律子はというと何処を探しても香澄が見当たらなくて不安なまま家に帰ってきました。 「やっちゃったなあ、、、。」
俺はというとそんなこととはつい知らず。 のんびり夕食を食べております。
姉ちゃんは仕事の準備とかでさっさと食べて寝ちまったんだとか。 (今夜は平和だな。)
そう思っていると電話が掛かってきた。 「誰なんだろう?」
暢気に出てみると律子だ。 「ねえねえ知らないかな? 香澄がまた行方不明になったのよ。」
「は? またかい?」 「うん。 下山先生にまで頼んで探してもらったけど見付からないの。」
「そうなのか。」 「弘明君は何か知らない?」
「俺さあ、あいつと喧嘩してるから何も知らないよ。」 「そうなのか。」
悲しそうな律子の声を聴きながらスマホを置く。 床に寝転がるとまた電話が掛かってきた。
「今度は誰なんだよ?」 番号を確かめると知らない相手だ。
用心しながら出てみる。 「もしもし?」
「こんばんは。 下山です。」 「ミナッチ、、、。」
「香澄ちゃんのことなんだけど、、、。」 「なんか行方不明なんだって?」
「そう。 小百合ちゃんたちからも話は聞いたわ。 ちょっとやり過ぎたみたいね?」 「そりゃあ、、、。」
「廊下で騒がれたんだって? それじゃあ恥ずかしくて居られないわよ。 分かってるかなあ?」 普段は面白いミナッチも今夜ばかりは真剣だ。
「それで弘明君とは何が有ったのかな?」 「いつも通りにくっ付いてきたからうるせえって怒鳴っちゃったんだ。」
「あらまあ、そこまでやったのね?」 「しつこいからさあ、あいつ。」
「だからって怒鳴るのは良くないと思わない?」 「そうだね。」
「香澄ちゃんには宏明君しか見えてないのよ。 分かってあげてほしいなあ。」 (分かりたいのはやまやまなんだけど、、、。)
ミナッチが電話を切った後、心配になって香澄にメールをしてみた。
『何処をさ迷ってるんだ? メス豚さん。』
でもメールは返ってこない。 電源を切ってるらしい。
「風呂にでも入ってれば返事くらい来るだろう。」 そう思って風呂に入ってみる。
それから戻ってきても返事は返ってこない。 (心配だな、、、。)
とは思うものの真夜中に出掛けるわけにもいかない。 「朝になれば何か分かるだろう。」
そう思って寝ることにした。



