2時間目は体育の時間。 寒くなってきた頃だからグラウンドを走るらしい。
「いいか。 お前たちにとっては最後の冬なんだ。 思い出に残るように走ってこい。」 「はーーーーーー?」
「何とぼけた顔してるんだ?」 「思い出に残るように走れって?」
「ああ、それか。 まあいいじゃないか。 走ってこい!」 片山先生はいつもいい加減。
分かるような分からんことを言って俺たちを焚き付けてくるんだ。 「しゃあねえな。 走るしかないか。」
それでまあ俺たちはしょうがなくグラウンドを回り始めるんですわ。 そしたら、、、。
「弘明君 一緒に走ろうねえ‼」って香澄がウィンクしてきた。 「きも、、、。」
「きもいって言ったなあ?」 「言ったよ。 まだ律子のほうが可愛いって。」
「じゃありっちゃんと一緒になりなさいよね。」 「私嫌だあ。」
「こらこら、お前たちは何をやってんだ? 10周追加するぞ。」 「やだやだ。」
「じゃあ黙って走ってこい!」 いろいろ有りますよ そりゃねえ。
香澄みたいな馬鹿も居るし律子みたいなお澄ましも居る。 健太郎みたいに我が儘なやつも居れば吉敷みたいにお高く気取ってるやつも居る。
それが人間社会。 なんて分かったようなことを言ってる。
10周ほど走ってゴール、、、。 と思ったら片山先生は腕を回している。
体操するのかと思ったら「まだ走ってこい。」って言ってきやがった。 疲れるわ こいつ。
そんなこんなで疲れ切った俺たちは授業どころじゃなくて居眠りの連発。 あの有村先生までガチ切れして授業を打ち切ったほどだ。
昼休みになると心配したのか久保山先生が教室にやってきた。 「お前たちどうしたんだ? 有村先生がものすごい顔で怒ってたけど。」
「体育でめちゃくちゃ走らされたんですよ。」 「めちゃくちゃってどれくらいだ?」
「グラウンドの円周は800メートルでしょう? それを13周。」 「ってことは10キロちょっとか。 普段鍛えてないのにそれは辛いなあ。」
「でしょう? だからみんなくたばってるの。」 「そうか。 分かった。 じゃあ今日は特別にこれで帰っていい。」
「ほんとっすか?」 「いいことは素直に聞くもんだぞ。 斉藤。」
「ワー意。 サボれるぞーーーー。」 「馬鹿。 騒ぐやつが有るか。」
久保山先生はその後、片山先生に思い切りお説教をしたそうな、、、。 聞いたのかなあ?
「弘明君。 今日も一緒に帰ろうねえ。」 「律子、こいつを頼むわ。」
「いきなり振られても困るんだけど、、、。」 「いいじゃん。 扱い慣れてるんだから。」
「弘明君よりは慣れてないわよ。 調教師じゃないんだから。」 「まあまあ、馬よりは簡単だぞ。」
「ああ、行っちゃった。」 「何で律子なの?」
「さあねえ。 まあとにかく行こうよ。」 香澄はどっか面白くない顔をしております。
俺はというと昇降口で美和を待ってます。 話そうって言ってたから。
まだまだ昼休み。 「今日は特別なんだから誤解するなよ。」って久保山先生が何度も念押しをしていった。
1時を過ぎた頃、バタバタと美和が走ってきた。 「ごめんね。 待たせちゃって。」
「いいよ。 俺たちもいきなり休みになったからみんなバタバタしてるんだ。」
「体育で10キロ以上走らされたんだって?」 「びっくりしたよ。」
「あの先生、いきなりやるからなあ。」 「知ってるの?」
「うん。 私が居た頃も同じことをやって研修センターに送られたことが有るの。 それから帰ってきて頑張ってるなと思ったら、、、。」 「そうなのか。」
美和はポニーテールに結んだ髪を掻き上げながら溜息を吐いた。 「また弘明君とのんびりしたいなあ。」
「だよねえ。 この頃は何かと振り回されてて、、、。」 「今度の日曜日はどうする?」
「どうしようかなあ? 確か夢雨の誕生日だよね?」 「うん。」
「祝ってあげたいけど突っ込まれるのは嫌だしなあ。」 「分かった。 メッセージカードだけでいいわ。」
「そう? ごめんね。」 「いいの。 あの子はそんなの木にしない子だから。」
体育委員会の放送が聞こえる。 「委員会か。 じゃあ私行くね。」
美和が行ってしまった後、俺も校門を出て駅へ向かった。 すると、、、。
「弘明くーーーーーーん、待ってたよーーーーー。」って声が聞こえた。 「あの馬鹿、まだ居たのか。」
「何つまらなそうな顔してるの?」 「お嬢様がお出でになるからですわよ。 オホホ。」
「きもいなあ。 やめてよ。」 「またこいつと電車に乗るのか。 嫌だなあ。」
「しょうがないじゃない。 同じ方向なんだから。」 「違う高校にすればよかったわ。」
「今頃悔やんでも遅いわよ。 オホホ。」 「しゃあねえなあ。 腐れ縁だから切れねえしなあ。」
「何ですって? 私が腐れ縁?」 「そうだよ。 こんな重たいメス豚を捕まえた覚えは無いんだけどなあ。」
「メス豚で悪かったわねえ。 小百合ちゃんにでもお乗り換え遊ばしたらどうなのかしら?」 「いいよ。 別に。」
「あらあら諦めたの?」 「あと半年も無いんだから諦めてやるよ。」
「どういう意味よ?」 「そういう意味だよ。 馬鹿。」
「何で私を馬鹿にするの?」 「馬鹿だから。」
「あっそう。」 以来、香澄は黙ったまま、、、。
と思ったら、、、。 「ねえねえ、今度の日曜日さあ 遊びに来ない?」
「は? 魚屋でイベントでもやるのか?」 「やらないわよ。 馬鹿。」
「お前だったらやりそうだけどなあ。 河豚の掴み取り大会とか。」 「あのねえ、10円玉じゃないんだから馬鹿にしないでよ。」
「ほう、それで何か用でも?」 「特にこれってのは無いけど来ないかなあ?って思って。」
「お前じゃないんだから行かないかもよ。」 「どういう意味よ?」
「お前みたいに裏口からは居るような人間じゃないし堂々と泊まりに来るような人間でもないから。」 「悪かったわね。 そんな人間で。」
「まもなく電車が参ります。 お気を付けください。」 「だってよ。」
「分かってるってば。」 香澄はどっか面白くなさそうな顔なんだけど、、、。
到着した電車に乗っていつものように窓際のいつものシートにいつものように二人並んで座っております。 今日は何かまた危ない予感。
と思ったら案の定、香澄が寝ちまった。 ちょうど昼時でお日様さんもいい感じで照らしてくれてるからしょうがないか。
ほっといてもいいんだけど俺にもたれてくるから重たくて重たくてしょうがねえんだよなあ。 「こら、メス豚。 駅だぞ。」
「え? 何々? もう着いたの?」 「焦ってやんの。」
「うわ、騙された。」 「もたれてくるんじゃねえよ。 ただでさえ重たいんだから。」
「悪かったわね。 ブスで。」 「もっと可愛くなんねえのか?」
「お母さんに言ってよ。 こんなブスに産んだのはお母さんなんだから。」 「ひでえなあ。 お母さんに文句言ってやがる。」
「弘明君が悪いんだからね。 私は悪くないわよ。」 「始まった始まった。」
「何よ? 馬鹿にしといて。」 「馬鹿にするのはいつものこと。」
「はいはいそうねそうね。」 香澄は窓の外を見ながらブツブツ言っている。
よくもまあ、こんな女と12年も仲良くしてたこと。 これから先は他のやつにお願いしたいわ。
そして香澄が降りる下川口東駅、、、。 でででも、香澄が降りない。
「どうしたんだ? 駅に着いたぞ。」 「いいの。 暇だから弘明君に可愛がってもらうの。」
「やっぱりか。」 「何よ? やっぱりかって?」
「お前の魂胆はこれだからなあ。」 「いいじゃん。 昔からの友達なんだし。」
「そうかそうか。 やっと友達だって認めたか。」 「違う違う。 私は彼女なの。」
「弁解しても遅いぞ。 昔からの友達なんだからな。」 「ひどいひどい。 泣いてやるぞーーーー。」
「いいけどまた鶯まで行く気か?」 「やだやだ。 宏明君に付いて行くんだもーーーーん。」
「相変わらず世話の焼けるやつだなあ。 馬鹿。」 「馬鹿馬鹿言わないでよ。」
「ちっとはおとなしくならんのか?」 「弘明君がそうだから無理ねえ。」
「いい加減に我が儘なやつだぜ まったく。」 「いいんだもん。 宏明君に世話してもらうんだもん。」
「こいつ、ペットになりたいのか?」 「重たいなあ。 乗らないでよ。」
「は? 何言ってんの?」 「ベッドになりたいのかって言ったでしょ?」
「馬鹿。 ペットだよ。」 「なあんだ。 犬か。」
「犬かは無いだろう。」 「いいじゃん。 宏明君なんだから。」
「何でも俺にすればいいと思って、、、、。」 「弘明君もよねえ?」
「はいはい。 すいませんねえどうも。」 「しょうがないなあ。」
「いいか。 お前たちにとっては最後の冬なんだ。 思い出に残るように走ってこい。」 「はーーーーーー?」
「何とぼけた顔してるんだ?」 「思い出に残るように走れって?」
「ああ、それか。 まあいいじゃないか。 走ってこい!」 片山先生はいつもいい加減。
分かるような分からんことを言って俺たちを焚き付けてくるんだ。 「しゃあねえな。 走るしかないか。」
それでまあ俺たちはしょうがなくグラウンドを回り始めるんですわ。 そしたら、、、。
「弘明君 一緒に走ろうねえ‼」って香澄がウィンクしてきた。 「きも、、、。」
「きもいって言ったなあ?」 「言ったよ。 まだ律子のほうが可愛いって。」
「じゃありっちゃんと一緒になりなさいよね。」 「私嫌だあ。」
「こらこら、お前たちは何をやってんだ? 10周追加するぞ。」 「やだやだ。」
「じゃあ黙って走ってこい!」 いろいろ有りますよ そりゃねえ。
香澄みたいな馬鹿も居るし律子みたいなお澄ましも居る。 健太郎みたいに我が儘なやつも居れば吉敷みたいにお高く気取ってるやつも居る。
それが人間社会。 なんて分かったようなことを言ってる。
10周ほど走ってゴール、、、。 と思ったら片山先生は腕を回している。
体操するのかと思ったら「まだ走ってこい。」って言ってきやがった。 疲れるわ こいつ。
そんなこんなで疲れ切った俺たちは授業どころじゃなくて居眠りの連発。 あの有村先生までガチ切れして授業を打ち切ったほどだ。
昼休みになると心配したのか久保山先生が教室にやってきた。 「お前たちどうしたんだ? 有村先生がものすごい顔で怒ってたけど。」
「体育でめちゃくちゃ走らされたんですよ。」 「めちゃくちゃってどれくらいだ?」
「グラウンドの円周は800メートルでしょう? それを13周。」 「ってことは10キロちょっとか。 普段鍛えてないのにそれは辛いなあ。」
「でしょう? だからみんなくたばってるの。」 「そうか。 分かった。 じゃあ今日は特別にこれで帰っていい。」
「ほんとっすか?」 「いいことは素直に聞くもんだぞ。 斉藤。」
「ワー意。 サボれるぞーーーー。」 「馬鹿。 騒ぐやつが有るか。」
久保山先生はその後、片山先生に思い切りお説教をしたそうな、、、。 聞いたのかなあ?
「弘明君。 今日も一緒に帰ろうねえ。」 「律子、こいつを頼むわ。」
「いきなり振られても困るんだけど、、、。」 「いいじゃん。 扱い慣れてるんだから。」
「弘明君よりは慣れてないわよ。 調教師じゃないんだから。」 「まあまあ、馬よりは簡単だぞ。」
「ああ、行っちゃった。」 「何で律子なの?」
「さあねえ。 まあとにかく行こうよ。」 香澄はどっか面白くない顔をしております。
俺はというと昇降口で美和を待ってます。 話そうって言ってたから。
まだまだ昼休み。 「今日は特別なんだから誤解するなよ。」って久保山先生が何度も念押しをしていった。
1時を過ぎた頃、バタバタと美和が走ってきた。 「ごめんね。 待たせちゃって。」
「いいよ。 俺たちもいきなり休みになったからみんなバタバタしてるんだ。」
「体育で10キロ以上走らされたんだって?」 「びっくりしたよ。」
「あの先生、いきなりやるからなあ。」 「知ってるの?」
「うん。 私が居た頃も同じことをやって研修センターに送られたことが有るの。 それから帰ってきて頑張ってるなと思ったら、、、。」 「そうなのか。」
美和はポニーテールに結んだ髪を掻き上げながら溜息を吐いた。 「また弘明君とのんびりしたいなあ。」
「だよねえ。 この頃は何かと振り回されてて、、、。」 「今度の日曜日はどうする?」
「どうしようかなあ? 確か夢雨の誕生日だよね?」 「うん。」
「祝ってあげたいけど突っ込まれるのは嫌だしなあ。」 「分かった。 メッセージカードだけでいいわ。」
「そう? ごめんね。」 「いいの。 あの子はそんなの木にしない子だから。」
体育委員会の放送が聞こえる。 「委員会か。 じゃあ私行くね。」
美和が行ってしまった後、俺も校門を出て駅へ向かった。 すると、、、。
「弘明くーーーーーーん、待ってたよーーーーー。」って声が聞こえた。 「あの馬鹿、まだ居たのか。」
「何つまらなそうな顔してるの?」 「お嬢様がお出でになるからですわよ。 オホホ。」
「きもいなあ。 やめてよ。」 「またこいつと電車に乗るのか。 嫌だなあ。」
「しょうがないじゃない。 同じ方向なんだから。」 「違う高校にすればよかったわ。」
「今頃悔やんでも遅いわよ。 オホホ。」 「しゃあねえなあ。 腐れ縁だから切れねえしなあ。」
「何ですって? 私が腐れ縁?」 「そうだよ。 こんな重たいメス豚を捕まえた覚えは無いんだけどなあ。」
「メス豚で悪かったわねえ。 小百合ちゃんにでもお乗り換え遊ばしたらどうなのかしら?」 「いいよ。 別に。」
「あらあら諦めたの?」 「あと半年も無いんだから諦めてやるよ。」
「どういう意味よ?」 「そういう意味だよ。 馬鹿。」
「何で私を馬鹿にするの?」 「馬鹿だから。」
「あっそう。」 以来、香澄は黙ったまま、、、。
と思ったら、、、。 「ねえねえ、今度の日曜日さあ 遊びに来ない?」
「は? 魚屋でイベントでもやるのか?」 「やらないわよ。 馬鹿。」
「お前だったらやりそうだけどなあ。 河豚の掴み取り大会とか。」 「あのねえ、10円玉じゃないんだから馬鹿にしないでよ。」
「ほう、それで何か用でも?」 「特にこれってのは無いけど来ないかなあ?って思って。」
「お前じゃないんだから行かないかもよ。」 「どういう意味よ?」
「お前みたいに裏口からは居るような人間じゃないし堂々と泊まりに来るような人間でもないから。」 「悪かったわね。 そんな人間で。」
「まもなく電車が参ります。 お気を付けください。」 「だってよ。」
「分かってるってば。」 香澄はどっか面白くなさそうな顔なんだけど、、、。
到着した電車に乗っていつものように窓際のいつものシートにいつものように二人並んで座っております。 今日は何かまた危ない予感。
と思ったら案の定、香澄が寝ちまった。 ちょうど昼時でお日様さんもいい感じで照らしてくれてるからしょうがないか。
ほっといてもいいんだけど俺にもたれてくるから重たくて重たくてしょうがねえんだよなあ。 「こら、メス豚。 駅だぞ。」
「え? 何々? もう着いたの?」 「焦ってやんの。」
「うわ、騙された。」 「もたれてくるんじゃねえよ。 ただでさえ重たいんだから。」
「悪かったわね。 ブスで。」 「もっと可愛くなんねえのか?」
「お母さんに言ってよ。 こんなブスに産んだのはお母さんなんだから。」 「ひでえなあ。 お母さんに文句言ってやがる。」
「弘明君が悪いんだからね。 私は悪くないわよ。」 「始まった始まった。」
「何よ? 馬鹿にしといて。」 「馬鹿にするのはいつものこと。」
「はいはいそうねそうね。」 香澄は窓の外を見ながらブツブツ言っている。
よくもまあ、こんな女と12年も仲良くしてたこと。 これから先は他のやつにお願いしたいわ。
そして香澄が降りる下川口東駅、、、。 でででも、香澄が降りない。
「どうしたんだ? 駅に着いたぞ。」 「いいの。 暇だから弘明君に可愛がってもらうの。」
「やっぱりか。」 「何よ? やっぱりかって?」
「お前の魂胆はこれだからなあ。」 「いいじゃん。 昔からの友達なんだし。」
「そうかそうか。 やっと友達だって認めたか。」 「違う違う。 私は彼女なの。」
「弁解しても遅いぞ。 昔からの友達なんだからな。」 「ひどいひどい。 泣いてやるぞーーーー。」
「いいけどまた鶯まで行く気か?」 「やだやだ。 宏明君に付いて行くんだもーーーーん。」
「相変わらず世話の焼けるやつだなあ。 馬鹿。」 「馬鹿馬鹿言わないでよ。」
「ちっとはおとなしくならんのか?」 「弘明君がそうだから無理ねえ。」
「いい加減に我が儘なやつだぜ まったく。」 「いいんだもん。 宏明君に世話してもらうんだもん。」
「こいつ、ペットになりたいのか?」 「重たいなあ。 乗らないでよ。」
「は? 何言ってんの?」 「ベッドになりたいのかって言ったでしょ?」
「馬鹿。 ペットだよ。」 「なあんだ。 犬か。」
「犬かは無いだろう。」 「いいじゃん。 宏明君なんだから。」
「何でも俺にすればいいと思って、、、、。」 「弘明君もよねえ?」
「はいはい。 すいませんねえどうも。」 「しょうがないなあ。」



