翌日は土曜日。 またまた誰も居ない居間でのんびりとコーヒーを飲んでます。
「今日はさすがに誰も来ねえよな。」 そう思っていた11時過ぎのこと。
ピンポーン。 チャイムが鳴りました。 (もしかして香澄か?)
面倒くさそうな顔でドアを開けてみると、、、。 「こんにちは。」
そこには美和が立っていた。 「美和、、、。」
「どうしたの? カモメがひっくり返ったような顔して。」 「まさか、こんな時間に来るとは思わないからさ。」
「誰も居ないからいいかと思って、、、。」 「だね。 じゃあ入ってよ。」
「お邪魔しまーす。」 美和は嬉しそうな顔で居間に入ってきた。
「コーヒーでいい?」 「いいわよ。」
椅子に座ると美和は壁に掛けられた時計に目をやった。 「まだ11時か。」
「何か?」 「んんんん、お昼には早いなと思って。」
「美和ってさあ、いつも何してんの?」 「見てもらった通りよ。」
「って?」 「音楽を聴いてるか、車を飛ばしてるか、買い物に行ってるか、、、。」
「そうなんだねえ。」 俺はコーヒーを飲みながら美和の胸元に目をやった。
「気付いた?」 「何それ?」
「商店街のアクセサリーショップに行ったら柴犬のキーホルダーを売ってたのよ。」 「柴犬ねえ。」
俺はふと跳ねて回っている香澄を思い出した。 そして我慢できなくなって吹き出した。
「どうしたの?」 「いやいや、俺さあ香澄のことをずっと柴犬って呼んでたんだ。 だから思い出しちゃって。」
「香澄ちゃん? 言われてみればそうかもねえ。」 思わず俺たちは顔を見合わせてしまった。
土曜日、外はいたって静かだ。 いつもは通り過ぎる車でうるさいんだけどなあ。
こんな所に真っ赤なフェアレディーが止まってたら誰だってびっくりするだろうなあ。 「美和さあ、何でフェアレディーにしたの?」
「そりゃあdtrとかかっこいい車はたくさん有るけどフェアレディーに乗るのは子供の頃からの夢だったの。」 「2000gtでも良かったんじゃないの?」
「考えたわよ。 スープラとかシビックとかランエボとかね。」 「それでもやっぱりフェアレディーだったんだ。」
「そうねえ。 あのヘッドライトは特徴的だもんね。」 「まあねえ。 rxⅶでも良かったろうに。」
「リトラクタブルヘッドライトもかっこいいとは思うけど、、、イニシャルbで飽きるほど見たからさあ。」 「そうなんだね。」
美和はスマホを取り出した。 何をするのかと思って見ていたら、、、。
イニシャルbのアニメを見始めたんだ。 「好きだからこうしてたまに見るのよ。」
「それでか。」 「何が?」
「美和が運転してるのを見てたらさ、レーサーみたいだなって思ってたんだよ。」 「レーサーになっても良かったかもね。」
「憧れてるの?」 「そりゃあ200キロとか300キロとかいうスピードで爆走するんだもん。 惚れちゃうわ。」
スーパーカーと呼ばれるような車も有るわけだし燃えるやつは燃えるよなあ。 俺だってfⅠのレースはよく見てた。
カウンタック フェラーリ ポルシェ ベネーノ、、、。 どっかかっこいいよなあ。
不意に正午のサイレンが聞こえた。 「お昼ね。 どうする?」
「美和に任せるよ。」 「じゃあさあ、どっかに食べに行こうか。」
「だね。 たまには二人で行きたいなと思ってたんだ。」 「じゃあ行こう。」
そんなわけで俺は久しぶりにフェアレディーの助手席に座ったのですが、、、。 「どうしたの?」
「なんか久しぶりに乗るからさあ、緊張しちゃって、、、。」 「弘明君らしくないなあ。」
「そう? 香澄のことも有ったからいろいろ考えちゃってさ。」 「香澄ちゃん なんかナーバスになってるわよね。」
「そう思う? 俺も何かさあ、気になって。」 「でも今は私だけ見ててほしいなあ。」
「そうだよね。 あれからしばらく部屋にも行ってないし。」 「そうだねえ。 来週さあ、夢雨のバースデーパーティーをやるんだ。 そんな大げさなもんじゃないけど。」
「楽しそうだね。」 「弘明君も来る?」
「ぜひ。 夢雨ちゃんにも久しぶりに会いたいし。」 「また突っ込まれたりしてねえ。」
「それは勘弁願いたい。」 「そっか。」
話しながらファミレス サンスターにやってきた。 「久しぶりだなあ。」
「そうなの?」 「外食なんて滅多に行かないからさ。」
「そうなのか。」 駐車場に車を停めた美和は思い切り背伸びをした。
「何を食べようかなあ?」 「美和がいいなあ。」
「うーーーん、それは後でね。」 「後か。 残念。」
「まだまだ高校生なんだから。」 「早く大人になりたーい。」
「じゃあ香澄ちゃんを捕まえなさい。」 「それはやだ。」
「まったくもう、、、。」 ドアを開けて店に入る。
さすがに土曜日の昼下がり。 家族連れも疎らって感じ。 俺たちは奥のテーブルに落ち着くとメニュー表に目を落とした。
「ハンバーグ定食もいいなあ。」 「ナポリタンもいいなあ。」
「どうしようかなあ?」 「どうしようかなあ?」
「真似しないの。」 「真似してないよ。」
「真似したでしょう? 意地悪。」 「ごめんごめん。」
それで俺たちが頼んだのは、、、。 美和はハンバーグ定食、俺はボンゴレの大盛りだった。
この店、国道沿いに在るんだよ。 よく香澄の父さんが仕入れに走ってる道だ。
朝早くに仲買の店に行くんだって。 何度か見掛けたことが有る。
どうかすると久保山先生も車で走ってくる。 実家がこの先に在るんだって。
俺たちは無口になって食べ続けている。 時々、顔を見合わせて吹き出しそうになったりしてね。
水を飲みながら俺は聞いてみた。 「隆縄に来てどうだった?」
「卒業した学校だから嫌だなって思うことも有るけどなんか楽しくていいわよ。」 「ほんとかなあ?」
「ほんとだよ。」 「そうかなあ?」
「疑ってるのね?」 「あの職員室の雰囲気じゃあ、、、。」
「嫌なのはあそこだけだから。」 美和はそう言うと席を立った。
支払いを済ませた美和は戻ってくるとまた椅子に座って水を飲み始める。 俺はその口元に目をやった。
「なあに? 緊張するじゃない。」 「女だなって思って。」
「嫌ねえ。 私は女よ。」 そう言いながら腕をパシッと叩く。
その手を捕まえてみる。 「捕まっちゃった。」
「そりゃそうだよ。 美和は俺の、、、。」 「だからさあ、あの時さあ、、、。」
俺は言い掛けて隣を見た。 小百合と真紀が話してる。
どうやら母さんたちと一緒に来たらしい。 「出ようか。 美和。」
「そうね。 ばれるとまずいもんね。」 小百合たちはまだまだ来たばかりらしくて話も盛り上がっている。
俺たちは気付かれないようにそっと店を出て行った。 「危なかったなあ。」
「だね。 もうちょっとでばれるとこだった。」 「これからどうするの?」
「予定は何も無いよ。」 「じゃあ、うちに来る?」
「そうしようかな。 久しぶりだから。」 「オッケー。 出発。」
そんでもって道路を快適に飛ばしておりますが、、、。 「あれは、、、。」
「どうしたの?」 「姉ちゃんだ。」
「あらあら、そうみたいねえ。」 そうなんだ、ファミレスから出てきた通りにはジャパンクリエーションっていう旅行代理店が有る。
まさしく姉ちゃんが働いている会社だよ。 なんか姉ちゃんがニヤッとした顔で俺たちを見てる。
(まあ、姉ちゃんは俺たちのことも知ってるんだからいいか。) そう思っていたら美和のスマホが鳴った。
「ねえねえ、美和。 宏明と何処に行くの?」 「何処って? 私の部屋だよ。」
「仲いいんだなあ。」 「そうねえ。 知らない間に仲良くなっちゃった。」
「弘明を大切にしてね。」 「うん。 わかった。」
スマホを切ると美和はエンジンを吹かした。 「さあ行くぞ‼」
この先はヘアピンが続くちょっとした山道。 フェアレディーが疾走する姿はかっこいいんだろうなあ。
俺は助手席で美和の運転に見惚れてしまっております。 姉ちゃんも喜んでたみたいだな。
「今日はさすがに誰も来ねえよな。」 そう思っていた11時過ぎのこと。
ピンポーン。 チャイムが鳴りました。 (もしかして香澄か?)
面倒くさそうな顔でドアを開けてみると、、、。 「こんにちは。」
そこには美和が立っていた。 「美和、、、。」
「どうしたの? カモメがひっくり返ったような顔して。」 「まさか、こんな時間に来るとは思わないからさ。」
「誰も居ないからいいかと思って、、、。」 「だね。 じゃあ入ってよ。」
「お邪魔しまーす。」 美和は嬉しそうな顔で居間に入ってきた。
「コーヒーでいい?」 「いいわよ。」
椅子に座ると美和は壁に掛けられた時計に目をやった。 「まだ11時か。」
「何か?」 「んんんん、お昼には早いなと思って。」
「美和ってさあ、いつも何してんの?」 「見てもらった通りよ。」
「って?」 「音楽を聴いてるか、車を飛ばしてるか、買い物に行ってるか、、、。」
「そうなんだねえ。」 俺はコーヒーを飲みながら美和の胸元に目をやった。
「気付いた?」 「何それ?」
「商店街のアクセサリーショップに行ったら柴犬のキーホルダーを売ってたのよ。」 「柴犬ねえ。」
俺はふと跳ねて回っている香澄を思い出した。 そして我慢できなくなって吹き出した。
「どうしたの?」 「いやいや、俺さあ香澄のことをずっと柴犬って呼んでたんだ。 だから思い出しちゃって。」
「香澄ちゃん? 言われてみればそうかもねえ。」 思わず俺たちは顔を見合わせてしまった。
土曜日、外はいたって静かだ。 いつもは通り過ぎる車でうるさいんだけどなあ。
こんな所に真っ赤なフェアレディーが止まってたら誰だってびっくりするだろうなあ。 「美和さあ、何でフェアレディーにしたの?」
「そりゃあdtrとかかっこいい車はたくさん有るけどフェアレディーに乗るのは子供の頃からの夢だったの。」 「2000gtでも良かったんじゃないの?」
「考えたわよ。 スープラとかシビックとかランエボとかね。」 「それでもやっぱりフェアレディーだったんだ。」
「そうねえ。 あのヘッドライトは特徴的だもんね。」 「まあねえ。 rxⅶでも良かったろうに。」
「リトラクタブルヘッドライトもかっこいいとは思うけど、、、イニシャルbで飽きるほど見たからさあ。」 「そうなんだね。」
美和はスマホを取り出した。 何をするのかと思って見ていたら、、、。
イニシャルbのアニメを見始めたんだ。 「好きだからこうしてたまに見るのよ。」
「それでか。」 「何が?」
「美和が運転してるのを見てたらさ、レーサーみたいだなって思ってたんだよ。」 「レーサーになっても良かったかもね。」
「憧れてるの?」 「そりゃあ200キロとか300キロとかいうスピードで爆走するんだもん。 惚れちゃうわ。」
スーパーカーと呼ばれるような車も有るわけだし燃えるやつは燃えるよなあ。 俺だってfⅠのレースはよく見てた。
カウンタック フェラーリ ポルシェ ベネーノ、、、。 どっかかっこいいよなあ。
不意に正午のサイレンが聞こえた。 「お昼ね。 どうする?」
「美和に任せるよ。」 「じゃあさあ、どっかに食べに行こうか。」
「だね。 たまには二人で行きたいなと思ってたんだ。」 「じゃあ行こう。」
そんなわけで俺は久しぶりにフェアレディーの助手席に座ったのですが、、、。 「どうしたの?」
「なんか久しぶりに乗るからさあ、緊張しちゃって、、、。」 「弘明君らしくないなあ。」
「そう? 香澄のことも有ったからいろいろ考えちゃってさ。」 「香澄ちゃん なんかナーバスになってるわよね。」
「そう思う? 俺も何かさあ、気になって。」 「でも今は私だけ見ててほしいなあ。」
「そうだよね。 あれからしばらく部屋にも行ってないし。」 「そうだねえ。 来週さあ、夢雨のバースデーパーティーをやるんだ。 そんな大げさなもんじゃないけど。」
「楽しそうだね。」 「弘明君も来る?」
「ぜひ。 夢雨ちゃんにも久しぶりに会いたいし。」 「また突っ込まれたりしてねえ。」
「それは勘弁願いたい。」 「そっか。」
話しながらファミレス サンスターにやってきた。 「久しぶりだなあ。」
「そうなの?」 「外食なんて滅多に行かないからさ。」
「そうなのか。」 駐車場に車を停めた美和は思い切り背伸びをした。
「何を食べようかなあ?」 「美和がいいなあ。」
「うーーーん、それは後でね。」 「後か。 残念。」
「まだまだ高校生なんだから。」 「早く大人になりたーい。」
「じゃあ香澄ちゃんを捕まえなさい。」 「それはやだ。」
「まったくもう、、、。」 ドアを開けて店に入る。
さすがに土曜日の昼下がり。 家族連れも疎らって感じ。 俺たちは奥のテーブルに落ち着くとメニュー表に目を落とした。
「ハンバーグ定食もいいなあ。」 「ナポリタンもいいなあ。」
「どうしようかなあ?」 「どうしようかなあ?」
「真似しないの。」 「真似してないよ。」
「真似したでしょう? 意地悪。」 「ごめんごめん。」
それで俺たちが頼んだのは、、、。 美和はハンバーグ定食、俺はボンゴレの大盛りだった。
この店、国道沿いに在るんだよ。 よく香澄の父さんが仕入れに走ってる道だ。
朝早くに仲買の店に行くんだって。 何度か見掛けたことが有る。
どうかすると久保山先生も車で走ってくる。 実家がこの先に在るんだって。
俺たちは無口になって食べ続けている。 時々、顔を見合わせて吹き出しそうになったりしてね。
水を飲みながら俺は聞いてみた。 「隆縄に来てどうだった?」
「卒業した学校だから嫌だなって思うことも有るけどなんか楽しくていいわよ。」 「ほんとかなあ?」
「ほんとだよ。」 「そうかなあ?」
「疑ってるのね?」 「あの職員室の雰囲気じゃあ、、、。」
「嫌なのはあそこだけだから。」 美和はそう言うと席を立った。
支払いを済ませた美和は戻ってくるとまた椅子に座って水を飲み始める。 俺はその口元に目をやった。
「なあに? 緊張するじゃない。」 「女だなって思って。」
「嫌ねえ。 私は女よ。」 そう言いながら腕をパシッと叩く。
その手を捕まえてみる。 「捕まっちゃった。」
「そりゃそうだよ。 美和は俺の、、、。」 「だからさあ、あの時さあ、、、。」
俺は言い掛けて隣を見た。 小百合と真紀が話してる。
どうやら母さんたちと一緒に来たらしい。 「出ようか。 美和。」
「そうね。 ばれるとまずいもんね。」 小百合たちはまだまだ来たばかりらしくて話も盛り上がっている。
俺たちは気付かれないようにそっと店を出て行った。 「危なかったなあ。」
「だね。 もうちょっとでばれるとこだった。」 「これからどうするの?」
「予定は何も無いよ。」 「じゃあ、うちに来る?」
「そうしようかな。 久しぶりだから。」 「オッケー。 出発。」
そんでもって道路を快適に飛ばしておりますが、、、。 「あれは、、、。」
「どうしたの?」 「姉ちゃんだ。」
「あらあら、そうみたいねえ。」 そうなんだ、ファミレスから出てきた通りにはジャパンクリエーションっていう旅行代理店が有る。
まさしく姉ちゃんが働いている会社だよ。 なんか姉ちゃんがニヤッとした顔で俺たちを見てる。
(まあ、姉ちゃんは俺たちのことも知ってるんだからいいか。) そう思っていたら美和のスマホが鳴った。
「ねえねえ、美和。 宏明と何処に行くの?」 「何処って? 私の部屋だよ。」
「仲いいんだなあ。」 「そうねえ。 知らない間に仲良くなっちゃった。」
「弘明を大切にしてね。」 「うん。 わかった。」
スマホを切ると美和はエンジンを吹かした。 「さあ行くぞ‼」
この先はヘアピンが続くちょっとした山道。 フェアレディーが疾走する姿はかっこいいんだろうなあ。
俺は助手席で美和の運転に見惚れてしまっております。 姉ちゃんも喜んでたみたいだな。


