教室に戻ってくると香澄と誰かが追いかけっこをしている。 「またやってんのか。」
「待てーーーーー‼」 「本気にするなよ 馬鹿‼」
「許さないんだからーーーーーー‼」 「前見ろ‼」
「え? うわーーーーーー‼」 「いてえなあ、ブス。」
「何よ? 私だからってブスは無いでしょう?」 「いいじゃん。 ブスなんだから。」
「あのねえ、弘明君。 私を怒らせてただで済むと思ってる?」 「思ってるよ。」
「あのねえ。 待てーーーーー‼」 「小百合、あの二人を停める方法は無いの?」
「有ったら停めてるわよ。」 「それもそうだな。 あはは。」
掃除の時間だっつうのに俺たちは追いかけっこをしている。 「こらーーーーーー‼ 掃除の時間だぞーーーーーーーー‼」
「やべえ、ゴリラが吠えてる。」 保険係の山下先生がモップを持って追い掛けてきた。
「お前たち 掃除の時間に何をやってんだ?」 「すいません。 こいつが、、、。」
「こいつもくそも無い。 放課後は二人で全ての廊下を磨いて回れ。 いいな‼」
山下先生が行ってしまうと香澄は不満そうな顔で文句を言い始めた。 「弘明君のせいだからね。」
「そもそもお前が追いかけっこをしてるから悪いんだよ。 馬鹿。」 「また馬鹿にした。」
「いいじゃん。 どうせ馬鹿なんだから。」 「どうせは無いでしょう? 謝ってよ。」
「謝って済むんなら警察は要らねえぞ。」 「あのねえ、ここは学校なの。 分かってる?」
「遊んでる暇は無いんだけどなあ。」 「遊んでないの。 謝れって言ってるの。」
「はいはい。 すんませんねえ。 どうもどうも。」 「わ、逃げた‼ 待てーーーーー‼」
「またやってるわ。 あの二人。」 「ほっとこうよ。 喧嘩するほど仲が良いって昔から言うじゃない。」
「それもそうね。」 小百合と律子は追いかけ回してる香澄を見ながら冷たく笑うのでした。
その日の放課後、山下先生が教室にやってきた。 「昼休みに言った通り、今から全部の廊下を磨いてもらうからな。 吉田と沢田はモップを持って昇降口に来い。」
「お前たち 何をやらかしたんだ?」 重村隆が不思議そうに聞いてきた。
「いいのいいの。 ほっといてやって。」 小百合が隆の肩を叩く。 俺たちはモップを持って昇降口へ行った。
「はーーーあ、こんなお嬢様と学校の掃除かい。」 「そんなこと言わないでよ。 元はといえば弘明君が悪いんだから。」
「何で俺なんだよ?」 「そうやってすぐに剥きになるでしょう? だからダメなのよねえ。」
「でもお前、こんな俺が好きなんだろう?」 「う、うん。」
「じゃあ文句言わずにやれよ。」 「しゃあないなあ。」
香澄が昇降口を磨いている間に俺は階段のほうへ行ってみた。 すると美和が下りてきた。
「あらあら弘明君。 何してるの?」 「追いかけっこしてたら山下先生に見付かって、、、。」
「そうか。 お掃除罰か。」 「そうなんだよ。」
「私も何回となくさせられたわ。」 「美和も?」
「あの先生はそういうのには厳しいからねえ。」 「弘明くーーーーーーん。
「ほら、彼女が呼んでるわよ。」 「だから彼女じゃないって。」
「いいのいいの。 学校に居る時は彼女にしておきなさいよ。」 いたずらっぽく笑って美和は何処かへ行ってしまった。
「何してたの?」 「何にもしてねえよ。」
「高橋先生とお喋りしてたでしょう? 分かってんだからね。」
「はいはいどうも。 お嬢様。」 「だからお嬢様はやめてって言ってるでしょう?」
「お前のお嬢様気質は死んでも治りませんなあ。」 「いいんだもん。 これが私なんだもん。」
「へえへえ。 ご立派ですこと。」 「サボらないでちゃんとやれ!」
階段を下りてきた山下先生はまたまた噴火している。 「吉田、お前は二階をやってこい。」
「私は?」 「お前は一階でいい。 くっ付いてるとすぐにサボるんだからな。」
お説教されて掃除を続けて1時間。 やっと3階まで終わったぞ。
バッグを持って昇降口に来た時には辺りはもう暗くて寒くて大変。 「疲れたなあ。」
「弘明君のせいなんだからね。 最後まで付き合ってもらうわよ。」 「明日にしようぜ。」
「明日は土曜日。 学校に来ないでしょう?」 「いいじゃん。 月曜日にすれば。」
「今日って決めたら今日なの。 行くわよ。」 「しゃあねえなあ。」
そんなわけで俺は香澄の本巡りに付き合わされることになったのであります。 トホホ。
こないだはトイレ掃除を申し付けられて俺まで付き合わされて今回は廊下の掃除かよ。 いい加減にしてくれよな。
香澄はというとお目当ての本を見付けたらしく読み耽っております。 「いつまでここに居るんだよ?」
「ちょっと待ってて。 すぐに終わるから。」 そう言って10分後。
「まだ終わらねえのか?」 「今、一番面白くなるところだから待ってて。」
それからさらに30分後。 「まだ終わらないのか?」
「邦弘灯がどうするか見てんだから待ってて。」 香澄はずっと本に没頭中。
イライラしてきた俺はそっと離れて律子にメールした。
『何だって? 宏明君を引っ付けたまま本屋に閉じこもってるの?』
「そうなんだよ。 邦弘灯がどうのって、、、。』
『あの本は面白いからなあ。 たぶん閉店まで居るんじゃないの?』
『どっかで代ってくれよ。 付き合ってられないし、、、。』
「分かった。 小百合とも相談してみるわ。』
香澄はまだまだ本から離れる様子も無く動く気配も無い。 30分ほどして小百合がやってきた。
「弘明君も大変ねえ。」 耳元で小百合が聞いてきた。
もちろん、香澄は気に掛けることも無く本に没頭したまま。 時々爆笑したりして楽しそう。
半分ほど読み進んだ所でやっと顔を上げた香澄は蒼くなった。 「弘明君は?」
「用事が有るからって帰ったわよ。」 「で、代わりに小百合が来たの?」
「そうだけどさあ、あんたほんとに弘明君のこと好きなの?」 「うん。」
「だったらもうちっと考えてやりなさいよね。 それだからお嬢様だって言われるの。 あんた分かってないでしょう?」 「、、、。」
「だいたいねえ、本一冊買うのに何で弘明君を待たせとくのよ? おかしいじゃない。 何考えてるの?」 小百合が怒り始めたもんだから香澄は下を向いてしまった。
「だって、、、。」 「だからって行方不明事件は起こさせないわよ。 私と一緒に家まで帰ろう。」
お目当ての本を買った香澄は小百合に監視されながら家まで帰るのでありました。 その情報は俺にも来てましたよ。
『小百合がガッツリお説教したんだって。』
『また行方不明にならなきゃいいけど、、、。』
『大丈夫じゃない? 小百合が家まで付いて行くって言うから。』
『護送されてるみたいだな。』
『ほんとだよ。 宏明君さあ、いい加減に香澄を捕まえたら?』
『それはちょっと、、、。』
『他にいい人が居るのかな?』
『それは分からねえけど長年の付き合いで疲れちゃったからさあ。』
『弘明君でも疲れるんだ。 相当だね。』
『ほんと、相当だよ。』
律子が苦笑している姿が想像できる。 何やってんだか、、、。
その後、小百合からもメールが送られてきた。
『香澄、無事に家まで送り届けたよ。 今度は行方不明にならないようにお母さんにも頼んだからね。
それにしても大変だね。 宏明君も。』
『こんなんじゃあ小百合のほうが良かったなあ。』
『あたしはこんな性格だから合わないわよ。 律子のほうがいいんじゃない?』
『まあ考えとくよ。 お休み。』
ほんとにまあ、香澄が居るとどっかで騒ぎが起きるんだよなあ。 まるでラムちゃん。
うる星やつらだぜ まったくよ。 さあ寝ようか。
「待てーーーーー‼」 「本気にするなよ 馬鹿‼」
「許さないんだからーーーーーー‼」 「前見ろ‼」
「え? うわーーーーーー‼」 「いてえなあ、ブス。」
「何よ? 私だからってブスは無いでしょう?」 「いいじゃん。 ブスなんだから。」
「あのねえ、弘明君。 私を怒らせてただで済むと思ってる?」 「思ってるよ。」
「あのねえ。 待てーーーーー‼」 「小百合、あの二人を停める方法は無いの?」
「有ったら停めてるわよ。」 「それもそうだな。 あはは。」
掃除の時間だっつうのに俺たちは追いかけっこをしている。 「こらーーーーーー‼ 掃除の時間だぞーーーーーーーー‼」
「やべえ、ゴリラが吠えてる。」 保険係の山下先生がモップを持って追い掛けてきた。
「お前たち 掃除の時間に何をやってんだ?」 「すいません。 こいつが、、、。」
「こいつもくそも無い。 放課後は二人で全ての廊下を磨いて回れ。 いいな‼」
山下先生が行ってしまうと香澄は不満そうな顔で文句を言い始めた。 「弘明君のせいだからね。」
「そもそもお前が追いかけっこをしてるから悪いんだよ。 馬鹿。」 「また馬鹿にした。」
「いいじゃん。 どうせ馬鹿なんだから。」 「どうせは無いでしょう? 謝ってよ。」
「謝って済むんなら警察は要らねえぞ。」 「あのねえ、ここは学校なの。 分かってる?」
「遊んでる暇は無いんだけどなあ。」 「遊んでないの。 謝れって言ってるの。」
「はいはい。 すんませんねえ。 どうもどうも。」 「わ、逃げた‼ 待てーーーーー‼」
「またやってるわ。 あの二人。」 「ほっとこうよ。 喧嘩するほど仲が良いって昔から言うじゃない。」
「それもそうね。」 小百合と律子は追いかけ回してる香澄を見ながら冷たく笑うのでした。
その日の放課後、山下先生が教室にやってきた。 「昼休みに言った通り、今から全部の廊下を磨いてもらうからな。 吉田と沢田はモップを持って昇降口に来い。」
「お前たち 何をやらかしたんだ?」 重村隆が不思議そうに聞いてきた。
「いいのいいの。 ほっといてやって。」 小百合が隆の肩を叩く。 俺たちはモップを持って昇降口へ行った。
「はーーーあ、こんなお嬢様と学校の掃除かい。」 「そんなこと言わないでよ。 元はといえば弘明君が悪いんだから。」
「何で俺なんだよ?」 「そうやってすぐに剥きになるでしょう? だからダメなのよねえ。」
「でもお前、こんな俺が好きなんだろう?」 「う、うん。」
「じゃあ文句言わずにやれよ。」 「しゃあないなあ。」
香澄が昇降口を磨いている間に俺は階段のほうへ行ってみた。 すると美和が下りてきた。
「あらあら弘明君。 何してるの?」 「追いかけっこしてたら山下先生に見付かって、、、。」
「そうか。 お掃除罰か。」 「そうなんだよ。」
「私も何回となくさせられたわ。」 「美和も?」
「あの先生はそういうのには厳しいからねえ。」 「弘明くーーーーーーん。
「ほら、彼女が呼んでるわよ。」 「だから彼女じゃないって。」
「いいのいいの。 学校に居る時は彼女にしておきなさいよ。」 いたずらっぽく笑って美和は何処かへ行ってしまった。
「何してたの?」 「何にもしてねえよ。」
「高橋先生とお喋りしてたでしょう? 分かってんだからね。」
「はいはいどうも。 お嬢様。」 「だからお嬢様はやめてって言ってるでしょう?」
「お前のお嬢様気質は死んでも治りませんなあ。」 「いいんだもん。 これが私なんだもん。」
「へえへえ。 ご立派ですこと。」 「サボらないでちゃんとやれ!」
階段を下りてきた山下先生はまたまた噴火している。 「吉田、お前は二階をやってこい。」
「私は?」 「お前は一階でいい。 くっ付いてるとすぐにサボるんだからな。」
お説教されて掃除を続けて1時間。 やっと3階まで終わったぞ。
バッグを持って昇降口に来た時には辺りはもう暗くて寒くて大変。 「疲れたなあ。」
「弘明君のせいなんだからね。 最後まで付き合ってもらうわよ。」 「明日にしようぜ。」
「明日は土曜日。 学校に来ないでしょう?」 「いいじゃん。 月曜日にすれば。」
「今日って決めたら今日なの。 行くわよ。」 「しゃあねえなあ。」
そんなわけで俺は香澄の本巡りに付き合わされることになったのであります。 トホホ。
こないだはトイレ掃除を申し付けられて俺まで付き合わされて今回は廊下の掃除かよ。 いい加減にしてくれよな。
香澄はというとお目当ての本を見付けたらしく読み耽っております。 「いつまでここに居るんだよ?」
「ちょっと待ってて。 すぐに終わるから。」 そう言って10分後。
「まだ終わらねえのか?」 「今、一番面白くなるところだから待ってて。」
それからさらに30分後。 「まだ終わらないのか?」
「邦弘灯がどうするか見てんだから待ってて。」 香澄はずっと本に没頭中。
イライラしてきた俺はそっと離れて律子にメールした。
『何だって? 宏明君を引っ付けたまま本屋に閉じこもってるの?』
「そうなんだよ。 邦弘灯がどうのって、、、。』
『あの本は面白いからなあ。 たぶん閉店まで居るんじゃないの?』
『どっかで代ってくれよ。 付き合ってられないし、、、。』
「分かった。 小百合とも相談してみるわ。』
香澄はまだまだ本から離れる様子も無く動く気配も無い。 30分ほどして小百合がやってきた。
「弘明君も大変ねえ。」 耳元で小百合が聞いてきた。
もちろん、香澄は気に掛けることも無く本に没頭したまま。 時々爆笑したりして楽しそう。
半分ほど読み進んだ所でやっと顔を上げた香澄は蒼くなった。 「弘明君は?」
「用事が有るからって帰ったわよ。」 「で、代わりに小百合が来たの?」
「そうだけどさあ、あんたほんとに弘明君のこと好きなの?」 「うん。」
「だったらもうちっと考えてやりなさいよね。 それだからお嬢様だって言われるの。 あんた分かってないでしょう?」 「、、、。」
「だいたいねえ、本一冊買うのに何で弘明君を待たせとくのよ? おかしいじゃない。 何考えてるの?」 小百合が怒り始めたもんだから香澄は下を向いてしまった。
「だって、、、。」 「だからって行方不明事件は起こさせないわよ。 私と一緒に家まで帰ろう。」
お目当ての本を買った香澄は小百合に監視されながら家まで帰るのでありました。 その情報は俺にも来てましたよ。
『小百合がガッツリお説教したんだって。』
『また行方不明にならなきゃいいけど、、、。』
『大丈夫じゃない? 小百合が家まで付いて行くって言うから。』
『護送されてるみたいだな。』
『ほんとだよ。 宏明君さあ、いい加減に香澄を捕まえたら?』
『それはちょっと、、、。』
『他にいい人が居るのかな?』
『それは分からねえけど長年の付き合いで疲れちゃったからさあ。』
『弘明君でも疲れるんだ。 相当だね。』
『ほんと、相当だよ。』
律子が苦笑している姿が想像できる。 何やってんだか、、、。
その後、小百合からもメールが送られてきた。
『香澄、無事に家まで送り届けたよ。 今度は行方不明にならないようにお母さんにも頼んだからね。
それにしても大変だね。 宏明君も。』
『こんなんじゃあ小百合のほうが良かったなあ。』
『あたしはこんな性格だから合わないわよ。 律子のほうがいいんじゃない?』
『まあ考えとくよ。 お休み。』
ほんとにまあ、香澄が居るとどっかで騒ぎが起きるんだよなあ。 まるでラムちゃん。
うる星やつらだぜ まったくよ。 さあ寝ようか。


