貨物列車が走ってきた。 長いなあ。
「りっちゃんからメールだ、、、。」 さっきとは変わってどっか落ち着かない顔でメールを開いている香澄、、、。
『最近さあ、話してこないけど何か有ったの?』
「有ったとも書けないし無いとも書けないし、、、。 どうしたらいいと思う?」 「は? 奴隷に聞かれても分かりませんがねえ。」
「冷たいなあ。 教えてよ。」 「奴隷だから無理ですわ。」
「そんなこと言わないで教えてよ。」 頬っぺたを膨らませている香澄を見ていた律子は思い切り吹き出してしまった。
「香澄ーーーーー、何やってんのよーーーーーー?」 「うわ、見られた。」
「あのなあ、それくらい誰だって見るよ。 こんなに近いんだから。」 「でもでもでも、、、。」
「これでも俺を奴隷だって言い張るかなあ?」 「分かったわよ。 謝るからごめんなさい。」
「でもお前、5分と経たないうちにまた言うんだろうなあ?」 「絶対に言わないから許して。」
「そうかなあ? じゃあ今回だけね。」 「ひどいなあ。 永遠に許してよ。」
「お前なんか許したら父ちゃんが本気にするだろうがよ。」 「誰の父さんよ?」
「お前の父ちゃんに決まってるだろう? あの人は何でも信じるんだから。」 「そんなこと無いわよ。」
「そうかなあ? こないだ、遊びに行った時、「香澄と結婚するんだって?」って本気で聞いてきたんだぞ。」 「ワワワワ、そんなことを言ったの?」
「お前が熱々にしてるから、、、。」 「いいじゃない。 好きなんだから。」
「香澄ーーーーー、面白過ぎるわよーーーー。」 「まだ居たの?」
「あんたのせいで何本も乗り損ねたんだからね。」 「ごめんちゃい。」
「軽いやつだなあ。 いつも庇ってくれてるのに。」 「後で何とかするから。」
そう言いながら俺たちもやっと帰りの電車に乗ったのでありました。
電車の中で香澄はさっきからメールを打ち続けてます。 相手はもちろん律子、、、だよね?
電車区には今日も電車がけっこう止まってますねえ。 普通電車やら特急やら、、、。
欠伸をしながら香澄を見ていると不意に顔を上げた香澄が笑い出した。 「何 笑ってんだよ?」
「だって虫歯が見えたから。」 「あっそう。 それだけかい。」
「冷たいなあ。 もっと反応してよ。」 「どうすりゃいいんだよ?」
「ハリーポッターみたいに空を飛ぶとか、コナンみたいにスケボーで走り回るとか、、、。」 「お前、夢見過ぎ。」
「だってだって、、、相手してくれないんだもん。」 「誰がだよ?」
「弘明君よ。 弘明君。」 「子供の頃から飽きるほど相手をさせられてますけどねえ。」
「何よ その言い方?」 「お嬢様の相手は疲れるんでねエ。 そろそろ代わってもらいたいですわ。」
「誰に代わるのよ?」 「律子何かいいんじゃないの?」
「えーーーーーー? 律子?」 「さあさあ、ほらほら駅に着いたぞ。」
「ワワワ、降りなきゃまずいわ。 じゃあ明日ねえ。」 香澄は今日もこうして慌てて降りていくのでありましたよ。
ほんとに疲れるやつなんだからなあ、あいつは。 ここからはのんびりと、、、。
でもなあ、うっかりするとまたいつかみたいに降り損ねるからなあ。 電車は今日も同じリズムで走るのであります。
ボーっとしていると寝ちまいそうだぜ まったくよ。
その頃、美和はというと、、、。 こちらはこちらで相変わらずに忙しそう。
俺なんかにメールしてる暇も無さそうだ。 なんせ新任だからなあ。
時々、廊下で擦れ違うけど簡単に挨拶するだけ。 図書館に行っても居ないんだよなあ。
(教師って忙しいんだなあ。) 誰かさんは暇そうにお茶を飲んでたけど。) そんなことを考えながら司書室の前を歩く。
なんか暇なんだよな。 美和が絡んでこないと気が抜けちゃって、、、。 それで教室に戻ってくると香澄が走り回っている。
「何やってんだ?」 ポカンと見ていると雄介が香澄を追い掛けているらしいことが分かってきた。
「また何かやらかしたな こいつ?」 と、真正面から香澄が飛び込んできた。
「いたーーーーーーい!」 それを見た律子たちは腹を抱えて爆笑中。
「香澄ーーーー、彼氏に抱かれて幸せねエ?」 「いや、その、あの、、、、。」
「戸惑わなくていいわよ。 思う存分に可愛がってもらいなさいよ。」 「でも、、、。」
「いつまでくっ付いてるんだ? 馬鹿。」 「ワー、また私を馬鹿にしたなあ。」
「馬鹿にしなきゃ何にするんだよ?」 「お姫様よ。 もっちろん。」
「付き合い切れねえやつだなあ まったく。」 今度は俺を香澄が追い掛けてきた。
「やめろっての。 馬鹿。」 「そう馬鹿馬鹿言わないでよ。」
「馬鹿以外に何が有るんだよ?」 「お嬢様とかお姫様とか有るじゃない。」
「付き合ってらんねえや。」 「ああ、待ってよーーーーー!」
掃除も終わって5時間目。 眠い眠い国語の時間でありますよ。
本で顔を隠して寝ていたら、、、。 ゴン!
「いてええ!」 「誰か居眠りしてたな? 立ちなさい。」
しょうがなく俺が立ち上がると「また君か。 邪魔だから廊下に出ていなさい。」 小林先生はうっとおしそうな眼で俺を見た。
廊下に出てぼんやりと辺りを見回してみる。 今時、居眠りくらいで廊下に出す先生なんて居なくなったよなあ。
親父の頃はしょっちゅうだったって言うけど。 はーーーあ、それにしても暇だなあ。
背伸びをしていると先生が窓を開けた。 「しょうがないやつだなあ。 バケツを持ってくるか?」
「いや、それはけっこうです。」 「じゃあおとなしくしてなさい。」
この先生には逆らえないんだよなあ。 次は数学だぜ。
やがて授業が終わった。 ドアが開いて先生が出てきた。
「眠かったら眠いって言いなさい。 保健室でも何処でも行かせるから。」 「はあ、、、。」
「弘明ーーーーー、怒られちまったなあ。 可哀そうになあ。」 「たまにはいいじゃない。 お仕置きよ。」
「香澄、やるじゃん。」 「そうでしょう?」
「それくらいに勉強も頑張ってほしいなあ。」 「ワワワ、それは言わないで。」
相変わらずのクラスメートにいい加減うんざり。 次はっと、、、数学だあ。
何か知らないけど久しぶりに美和を見ると身構えちゃうんだよな 俺。 その一方、美和は何とも思ってないらしい。
いつも通りに淡々と授業を済ませて帰っていきました。 あーーーらま、、、。
「弘明、寂しかったなあ?」 「何がだよ?」
「だって高橋先生 一瞬もお前を見てなかったじゃん。」 「いいじゃんか。 別に。」
「ねえねえ弘明君 私ならいいでしょう?」 そう言いながら香澄が近付いてきた。
「うわーーー、ひょっとこ女!」 「何ですって? ひょっとこ?」
「ひょっとこじゃなかったら何なんだよ?」 「私は小野小町よ。 ウフ。」
「気持ち悪いなあ。 近寄るなよ 馬鹿。」 「また私を馬鹿にしたわね? 許さないんだから。」
こうして今日も駅まで追いかけっこをするんです 俺たち。 はーあ、疲れるわ。
毎日毎日くっ付いては離れ、離れてはくっ付いている俺たちなんだけど本当はどうなんだろう? あまりにも近過ぎて分からないよなあ。
香澄はいつもいつもあの調子だし、律子だってあの調子だし。 俺たちって何なんだろう?
そんなことを考えているうちにgwに突入してしまった。
「りっちゃんからメールだ、、、。」 さっきとは変わってどっか落ち着かない顔でメールを開いている香澄、、、。
『最近さあ、話してこないけど何か有ったの?』
「有ったとも書けないし無いとも書けないし、、、。 どうしたらいいと思う?」 「は? 奴隷に聞かれても分かりませんがねえ。」
「冷たいなあ。 教えてよ。」 「奴隷だから無理ですわ。」
「そんなこと言わないで教えてよ。」 頬っぺたを膨らませている香澄を見ていた律子は思い切り吹き出してしまった。
「香澄ーーーーー、何やってんのよーーーーーー?」 「うわ、見られた。」
「あのなあ、それくらい誰だって見るよ。 こんなに近いんだから。」 「でもでもでも、、、。」
「これでも俺を奴隷だって言い張るかなあ?」 「分かったわよ。 謝るからごめんなさい。」
「でもお前、5分と経たないうちにまた言うんだろうなあ?」 「絶対に言わないから許して。」
「そうかなあ? じゃあ今回だけね。」 「ひどいなあ。 永遠に許してよ。」
「お前なんか許したら父ちゃんが本気にするだろうがよ。」 「誰の父さんよ?」
「お前の父ちゃんに決まってるだろう? あの人は何でも信じるんだから。」 「そんなこと無いわよ。」
「そうかなあ? こないだ、遊びに行った時、「香澄と結婚するんだって?」って本気で聞いてきたんだぞ。」 「ワワワワ、そんなことを言ったの?」
「お前が熱々にしてるから、、、。」 「いいじゃない。 好きなんだから。」
「香澄ーーーーー、面白過ぎるわよーーーー。」 「まだ居たの?」
「あんたのせいで何本も乗り損ねたんだからね。」 「ごめんちゃい。」
「軽いやつだなあ。 いつも庇ってくれてるのに。」 「後で何とかするから。」
そう言いながら俺たちもやっと帰りの電車に乗ったのでありました。
電車の中で香澄はさっきからメールを打ち続けてます。 相手はもちろん律子、、、だよね?
電車区には今日も電車がけっこう止まってますねえ。 普通電車やら特急やら、、、。
欠伸をしながら香澄を見ていると不意に顔を上げた香澄が笑い出した。 「何 笑ってんだよ?」
「だって虫歯が見えたから。」 「あっそう。 それだけかい。」
「冷たいなあ。 もっと反応してよ。」 「どうすりゃいいんだよ?」
「ハリーポッターみたいに空を飛ぶとか、コナンみたいにスケボーで走り回るとか、、、。」 「お前、夢見過ぎ。」
「だってだって、、、相手してくれないんだもん。」 「誰がだよ?」
「弘明君よ。 弘明君。」 「子供の頃から飽きるほど相手をさせられてますけどねえ。」
「何よ その言い方?」 「お嬢様の相手は疲れるんでねエ。 そろそろ代わってもらいたいですわ。」
「誰に代わるのよ?」 「律子何かいいんじゃないの?」
「えーーーーーー? 律子?」 「さあさあ、ほらほら駅に着いたぞ。」
「ワワワ、降りなきゃまずいわ。 じゃあ明日ねえ。」 香澄は今日もこうして慌てて降りていくのでありましたよ。
ほんとに疲れるやつなんだからなあ、あいつは。 ここからはのんびりと、、、。
でもなあ、うっかりするとまたいつかみたいに降り損ねるからなあ。 電車は今日も同じリズムで走るのであります。
ボーっとしていると寝ちまいそうだぜ まったくよ。
その頃、美和はというと、、、。 こちらはこちらで相変わらずに忙しそう。
俺なんかにメールしてる暇も無さそうだ。 なんせ新任だからなあ。
時々、廊下で擦れ違うけど簡単に挨拶するだけ。 図書館に行っても居ないんだよなあ。
(教師って忙しいんだなあ。) 誰かさんは暇そうにお茶を飲んでたけど。) そんなことを考えながら司書室の前を歩く。
なんか暇なんだよな。 美和が絡んでこないと気が抜けちゃって、、、。 それで教室に戻ってくると香澄が走り回っている。
「何やってんだ?」 ポカンと見ていると雄介が香澄を追い掛けているらしいことが分かってきた。
「また何かやらかしたな こいつ?」 と、真正面から香澄が飛び込んできた。
「いたーーーーーーい!」 それを見た律子たちは腹を抱えて爆笑中。
「香澄ーーーー、彼氏に抱かれて幸せねエ?」 「いや、その、あの、、、、。」
「戸惑わなくていいわよ。 思う存分に可愛がってもらいなさいよ。」 「でも、、、。」
「いつまでくっ付いてるんだ? 馬鹿。」 「ワー、また私を馬鹿にしたなあ。」
「馬鹿にしなきゃ何にするんだよ?」 「お姫様よ。 もっちろん。」
「付き合い切れねえやつだなあ まったく。」 今度は俺を香澄が追い掛けてきた。
「やめろっての。 馬鹿。」 「そう馬鹿馬鹿言わないでよ。」
「馬鹿以外に何が有るんだよ?」 「お嬢様とかお姫様とか有るじゃない。」
「付き合ってらんねえや。」 「ああ、待ってよーーーーー!」
掃除も終わって5時間目。 眠い眠い国語の時間でありますよ。
本で顔を隠して寝ていたら、、、。 ゴン!
「いてええ!」 「誰か居眠りしてたな? 立ちなさい。」
しょうがなく俺が立ち上がると「また君か。 邪魔だから廊下に出ていなさい。」 小林先生はうっとおしそうな眼で俺を見た。
廊下に出てぼんやりと辺りを見回してみる。 今時、居眠りくらいで廊下に出す先生なんて居なくなったよなあ。
親父の頃はしょっちゅうだったって言うけど。 はーーーあ、それにしても暇だなあ。
背伸びをしていると先生が窓を開けた。 「しょうがないやつだなあ。 バケツを持ってくるか?」
「いや、それはけっこうです。」 「じゃあおとなしくしてなさい。」
この先生には逆らえないんだよなあ。 次は数学だぜ。
やがて授業が終わった。 ドアが開いて先生が出てきた。
「眠かったら眠いって言いなさい。 保健室でも何処でも行かせるから。」 「はあ、、、。」
「弘明ーーーーー、怒られちまったなあ。 可哀そうになあ。」 「たまにはいいじゃない。 お仕置きよ。」
「香澄、やるじゃん。」 「そうでしょう?」
「それくらいに勉強も頑張ってほしいなあ。」 「ワワワ、それは言わないで。」
相変わらずのクラスメートにいい加減うんざり。 次はっと、、、数学だあ。
何か知らないけど久しぶりに美和を見ると身構えちゃうんだよな 俺。 その一方、美和は何とも思ってないらしい。
いつも通りに淡々と授業を済ませて帰っていきました。 あーーーらま、、、。
「弘明、寂しかったなあ?」 「何がだよ?」
「だって高橋先生 一瞬もお前を見てなかったじゃん。」 「いいじゃんか。 別に。」
「ねえねえ弘明君 私ならいいでしょう?」 そう言いながら香澄が近付いてきた。
「うわーーー、ひょっとこ女!」 「何ですって? ひょっとこ?」
「ひょっとこじゃなかったら何なんだよ?」 「私は小野小町よ。 ウフ。」
「気持ち悪いなあ。 近寄るなよ 馬鹿。」 「また私を馬鹿にしたわね? 許さないんだから。」
こうして今日も駅まで追いかけっこをするんです 俺たち。 はーあ、疲れるわ。
毎日毎日くっ付いては離れ、離れてはくっ付いている俺たちなんだけど本当はどうなんだろう? あまりにも近過ぎて分からないよなあ。
香澄はいつもいつもあの調子だし、律子だってあの調子だし。 俺たちって何なんだろう?
そんなことを考えているうちにgwに突入してしまった。


