「ご飯だよーーーーーーー。」 母ちゃんの声が聞こえる。
まあ何も無い正月休みの昼だ。 今日もまたカップラーメンかなあ?
退屈そうな顔で椅子に座りしょうもなさそうな顔でラーメンを食べる。 これといって話すことも無い。
「最近 香澄ちゃんとはどうなんだい?」 「どうってことも無いよ。 あいつは魚屋の修行で忙しいんだから。」
「お前もやらせてもらったらどうなんだい?」 「何で俺がやるんだよ?」
「香澄ちゃんとも仲良しなんだからさあ。」 「今は仲悪いよ。」
「そうとも思えないけどなあ。」 「あいつはあいつ。 俺は俺なんだから。」
「そうかもしれないけどさあ、ちっとは将来のことを考えたらどうなの?」 「考えたから仲悪いんだよ。」
「そんなもんかなあ?」 「パンダ焼きで結ばれるほど単純な物じゃないんだからね。」
「そうかもしれないけど、、、。」 母ちゃんはどっか不満そう。
俺は昼食を済ませると部屋に戻ってきた。 「YouTubeでも見てようっと。」
誰かのお喋りを聞くのもいいけど相手によっては殴りたくなるくらいに腹が立つんだよなあ。 特に実業家だって言ってるあのおっさん。
刑務所にもぶち込まれた犯罪者なんだからさあ黙っててほしいよなあ。 「マスクしてくれ。」って言ってる店長に噛み付いてごね回してネットショップに変えさせちゃったあのおっさん。
マスク一つで店にいたずら電話が殺到するほど喧嘩しまくるなんて異常だわ。 あんなのは要らない。
頭はいいかもしれないけど人間性は屑も屑。 あんなのは関わらないほうがいい。
黙ってのんびり川の音でも聞いてようかな。 癒されるねえ これ。
そう思いながらウトウトしていると、、、。 「元気?」
「は?」 「弘明君は元気なのかなあ?」
「お前に会わないから元気満点だけど。」 「ひどーーーい。 そこまで馬鹿にするのね?」
「馬鹿にしなきゃ何にするんだよ? お嬢様。」 「だからさあ、お嬢様はやめてって言ってるでしょう?」
「お嬢様じゃなかったら何だよ?」 「私は香澄様よ。」
「修行はどうした?」 「今ね、頑張ってるから大丈夫。」
「今だけかい?」 「そうよ。 宏明君にやってもらうんだからね。」
「後ろのほうで何か聞こえるぞ。」 「え? なになに?」
香澄が後ろを振り向いた時、、、。 「お前なあ、俎板くらい洗えよ。 馬鹿。」 「ごめんごめん。」
「ごめんで済まされるか‼ 夜飯は抜きだ。 いいな‼」 「ほら見ろ。 怒られてやんの。」
「いいんだもん。」 そう言って香澄はスマホを切った。
相変わらずお父さんを怒らせまくってるんだなあ あいつ。 どうしようもねえな。
ぼやきながらYouTubeを見ていると、、、。 「ねえねえ弘明君。 お正月はどうだった?」
「どうって言われても困るけど。」 「何かいいことは有ったかなあ?」
「そうだなあ。 香澄が居なくなったことくらいかな。」 「また居なくなったの?」
「今はお父さんに扱かれてるからさあ、俺んちには来れないんだよ。」 「そういうことか。」
「律子はどうなんだよ?」 「そうねえ。 何にも無いわ。」
「人にあれこれ聞いといてか?」 「ごめんごめん。 暇だったからさあ。」
どいつもこいつも暇なんだなあ。 おそらくは小百合も、、、?
「何か無いかなあ?」 そう思いながらxを眺めてみる。
でも気に入るような投稿はまず見えない。 溜息混じりに一人オセロをやってみる。
「全然ダメだわ。 宏明君たちが居なきゃ、、、。」 小百合はお茶を飲みながら溜息を吐くのでした。
真紀はというとこっちはこっちで借りてきた本を読み漁るのに必死になってます。 何もそこまで集中しなくても、、、。
「最近は暇なんだよなあ。 お騒がせの香澄も静かだし小百合も家に籠ってるし、、、。」 窓の外はチラチラと雪が舞っております。
「私も踊りたいわーーーー。」 香澄がそう言って飛び出してこないことを祈ります。
「こんにちはーーー。」 「誰か来た。」
警戒しながら玄関に出てみると、、、。 「ああ居た居た。」
「どうしたんだよ?」 「あんまりにも暇だから遊びに行こうと思って。」
「珍しいなあ。 小百合が来るなんて。」 「でしょう? お母さんも仕事に行っちゃったからさあ。」
「まあ入ってよ。」 「お邪魔しまーす。」
んでもって居間のテーブルで小百合と向かい合いましょうかね。 「オセロ持ってきたんだ。」
「やろうぜ。」 「じゃあ私が最初は白ね。」
真ん中に駒を並べていざスタート‼ 「やりやがった。」
「やったなあこら‼」 「また取られたわ。」
「お返しよ。」 母ちゃんが洗濯物を畳んでいる隣で俺たちはオセロに熱中しております。 「ヤッホー‼」
「負けちゃった。 次は取り返すからね。」 「どうぞどうぞ。」
そんな俺たちを見ながら母ちゃんはお茶を飲んでいるのであります。 「あんたたちも飲むかい?」
「戴きます。」 「じゃあ、、、。」
母ちゃんはそう言うとポットに新しいお湯を沸かし始めた。 俺は第2ラウンドの作戦を、、、。
その頃、香澄は刺身を選別する修行中。 「いいか。 刺身ってのは生きが勝負なんだ。 しっかり見極めるんだぞ。」
お父さんはそう言うと真新しい鰤としばらく放置した鯵を俎板の上に並べた。 「さあ、どっちがどうだ?」
こうやって魚屋は磨かれていくんだなあ。 釣り堀で遊んでいた頃が懐かしい。
小百合は俺の部屋に入ってスマホを弄ってます。 お茶を飲んだ後は母ちゃんと話したくないとか言ってね。
まあ、あんだけ大激怒したんだからしょうがないよな。 スマホを弄りながら時々俺を見詰めてくるんだよな。
ドキっとさせられるぜ まったく。 美和みたいな眼遣いに心臓が撃ち抜かれた思いだぜ。
「ねえねえ弘明君。 高橋先生とはどうなのよ?」 「どうなのよって言われてもなあ。」
「最近は話もしてないの?」 「そうだなあ。 忙しそうだから。」
「様子でも見に行ってあげたら?」 「そう出来ればいいなあ。」
「優しいんだね。 宏明君は。」 「そうでもないよ。 何もしたくないだけ。」
「誰かさんみたいにしょっちゅう絡み付いてるわけじゃないんだからやっぱり優しいんだよ。」 「そうなのかなあ?」
「だと思うよ。 顔出したら優しくしてあげてね。」 「そうだね。」
「じゃあさあ私帰るわ。 お邪魔しました。」 何か小百合は嬉しそう。
もうすぐ三学期だなあ。 もうすぐ卒業だあ。
さてさて8日 火曜日になりました。 今日からいよいよ最後の最後の三学期だあ。
「吉田も浦川も道山も就職するんだからこれから面接に行ってもらうぞ。」 「今日から?」
「今日はまだまだだ。 明日から少しずつ面接が入ってくる。 お前たちも心して面接に当たるように。」 久保山先生もどっか寂しそうだなあ。
そうだよなあ、事務関係の仕事とか介護関係とかスーパーとか何件か求人に応募してるんだもんなあ。 どっかで働かなきゃ、、、。
「ねえねえ弘明君は何処に応募したの?」 「魚屋。」
「え? うちも求人票を出してたの?」 「出してたっておかしくないだろうなあ。 誰かさんはまーーーーーーったくやる気が無いんだから。」
「それってさあ、私のこと?」 「じゃなかったら誰なんだよ?」
「ひどーーーーーい。 最後の最後まで虐めるのね? 許さないんだからーーーーーー‼」 「香澄、騒がないの。 うるさいでしょう?」
「だって弘明君が、、、。」 「あんた、いつまで経ってもお子様なのねえ。 ちっとは周りのことを考えなさいよ。」
「だって、、、。」 「だってもくそも無いの‼ 進学組が最後の追い込みをしてるんだから静かにしなさい‼」
小百合はまたまた大噴火した。 これには律子まで縮み上がってしまって、、、。
「小百合、もうちっと穏やかに、、、。」 「ダメよ。 あんなお子様をほっといたらろくな大人にはならないから。」
俺はふとミナッチが吐き捨てた言葉を思い出した。 「あんたが嗾けるからこうなるのよ。 あんたも同罪だからね。」
香澄一人が騒いでるんだと思っていた。 でもそれは俺が嗾けて面白がっていただけだったんだ。
「どうしたの? しょんぼりしちゃって。」 小百合が俺に聞いてきた。
「ミナッチに図書館で言われたことを思い出したんだ。」 「何か言われたの?」
「あんたが嗾けるから面白がって騒ぐんだよ。 同罪だからねって。」 「それはそうかもしれないなあ。 これまで一番仲が良かったんだもんね。 分かるわ。」
「それにさあ、、、。」 ここで俺は小百合に耳打ちをした。
「一緒に風呂に入った時に勢いでエッチしちゃったんだ。」 「えーーーーー? それじゃあ香澄がますます思い込むじゃない。」
「そうなんだよ。 だからどうしようかって、、、。」 「弘明君も悩んでたのね。 もっと早く話してほしかったなあ。」
小百合は俺と話しながらしょげ込んでしまった香澄を見やった。 (こんな香澄とエッチしたのか、、、。)
その日は放課後まで香澄はしょんぼりしたまま。 何か言いたそうな顔はするんだけど小百合の顔を見ると逃げ出してしまう。
小百合は小百合で俺の傍にずっとくっ付いている。 まるでボディーガードみたいに。
「ねえねえ小百合。 仲いいね。」 律子が羨ましそうな眼で聞いてきた。
「もちろんよ。 ずっと友達だったんだから。」 「そうなの?」
「だって、、、ねえ。」 そう言いながら俺の手を握ってくる。
「見せ付けてるな お前。」 「誰に?」
「香澄にだよ。」 「ああ、あのお嬢様ね。 あんなのは黙らせとけばいいのよ。」
「グ、、、。」 「よく言ったって思ったでしょ?」
「はっきり言い過ぎですけど、、、。」 「怖いくらいがちょうどいいのよ。」
「俺だって怖いわ。」 「あら、そう? ごめんなさい。」
そのままで俺たちは駅まで歩いて行くのでありました。 何も起きなければいいけど、、、。
まあ何も無い正月休みの昼だ。 今日もまたカップラーメンかなあ?
退屈そうな顔で椅子に座りしょうもなさそうな顔でラーメンを食べる。 これといって話すことも無い。
「最近 香澄ちゃんとはどうなんだい?」 「どうってことも無いよ。 あいつは魚屋の修行で忙しいんだから。」
「お前もやらせてもらったらどうなんだい?」 「何で俺がやるんだよ?」
「香澄ちゃんとも仲良しなんだからさあ。」 「今は仲悪いよ。」
「そうとも思えないけどなあ。」 「あいつはあいつ。 俺は俺なんだから。」
「そうかもしれないけどさあ、ちっとは将来のことを考えたらどうなの?」 「考えたから仲悪いんだよ。」
「そんなもんかなあ?」 「パンダ焼きで結ばれるほど単純な物じゃないんだからね。」
「そうかもしれないけど、、、。」 母ちゃんはどっか不満そう。
俺は昼食を済ませると部屋に戻ってきた。 「YouTubeでも見てようっと。」
誰かのお喋りを聞くのもいいけど相手によっては殴りたくなるくらいに腹が立つんだよなあ。 特に実業家だって言ってるあのおっさん。
刑務所にもぶち込まれた犯罪者なんだからさあ黙っててほしいよなあ。 「マスクしてくれ。」って言ってる店長に噛み付いてごね回してネットショップに変えさせちゃったあのおっさん。
マスク一つで店にいたずら電話が殺到するほど喧嘩しまくるなんて異常だわ。 あんなのは要らない。
頭はいいかもしれないけど人間性は屑も屑。 あんなのは関わらないほうがいい。
黙ってのんびり川の音でも聞いてようかな。 癒されるねえ これ。
そう思いながらウトウトしていると、、、。 「元気?」
「は?」 「弘明君は元気なのかなあ?」
「お前に会わないから元気満点だけど。」 「ひどーーーい。 そこまで馬鹿にするのね?」
「馬鹿にしなきゃ何にするんだよ? お嬢様。」 「だからさあ、お嬢様はやめてって言ってるでしょう?」
「お嬢様じゃなかったら何だよ?」 「私は香澄様よ。」
「修行はどうした?」 「今ね、頑張ってるから大丈夫。」
「今だけかい?」 「そうよ。 宏明君にやってもらうんだからね。」
「後ろのほうで何か聞こえるぞ。」 「え? なになに?」
香澄が後ろを振り向いた時、、、。 「お前なあ、俎板くらい洗えよ。 馬鹿。」 「ごめんごめん。」
「ごめんで済まされるか‼ 夜飯は抜きだ。 いいな‼」 「ほら見ろ。 怒られてやんの。」
「いいんだもん。」 そう言って香澄はスマホを切った。
相変わらずお父さんを怒らせまくってるんだなあ あいつ。 どうしようもねえな。
ぼやきながらYouTubeを見ていると、、、。 「ねえねえ弘明君。 お正月はどうだった?」
「どうって言われても困るけど。」 「何かいいことは有ったかなあ?」
「そうだなあ。 香澄が居なくなったことくらいかな。」 「また居なくなったの?」
「今はお父さんに扱かれてるからさあ、俺んちには来れないんだよ。」 「そういうことか。」
「律子はどうなんだよ?」 「そうねえ。 何にも無いわ。」
「人にあれこれ聞いといてか?」 「ごめんごめん。 暇だったからさあ。」
どいつもこいつも暇なんだなあ。 おそらくは小百合も、、、?
「何か無いかなあ?」 そう思いながらxを眺めてみる。
でも気に入るような投稿はまず見えない。 溜息混じりに一人オセロをやってみる。
「全然ダメだわ。 宏明君たちが居なきゃ、、、。」 小百合はお茶を飲みながら溜息を吐くのでした。
真紀はというとこっちはこっちで借りてきた本を読み漁るのに必死になってます。 何もそこまで集中しなくても、、、。
「最近は暇なんだよなあ。 お騒がせの香澄も静かだし小百合も家に籠ってるし、、、。」 窓の外はチラチラと雪が舞っております。
「私も踊りたいわーーーー。」 香澄がそう言って飛び出してこないことを祈ります。
「こんにちはーーー。」 「誰か来た。」
警戒しながら玄関に出てみると、、、。 「ああ居た居た。」
「どうしたんだよ?」 「あんまりにも暇だから遊びに行こうと思って。」
「珍しいなあ。 小百合が来るなんて。」 「でしょう? お母さんも仕事に行っちゃったからさあ。」
「まあ入ってよ。」 「お邪魔しまーす。」
んでもって居間のテーブルで小百合と向かい合いましょうかね。 「オセロ持ってきたんだ。」
「やろうぜ。」 「じゃあ私が最初は白ね。」
真ん中に駒を並べていざスタート‼ 「やりやがった。」
「やったなあこら‼」 「また取られたわ。」
「お返しよ。」 母ちゃんが洗濯物を畳んでいる隣で俺たちはオセロに熱中しております。 「ヤッホー‼」
「負けちゃった。 次は取り返すからね。」 「どうぞどうぞ。」
そんな俺たちを見ながら母ちゃんはお茶を飲んでいるのであります。 「あんたたちも飲むかい?」
「戴きます。」 「じゃあ、、、。」
母ちゃんはそう言うとポットに新しいお湯を沸かし始めた。 俺は第2ラウンドの作戦を、、、。
その頃、香澄は刺身を選別する修行中。 「いいか。 刺身ってのは生きが勝負なんだ。 しっかり見極めるんだぞ。」
お父さんはそう言うと真新しい鰤としばらく放置した鯵を俎板の上に並べた。 「さあ、どっちがどうだ?」
こうやって魚屋は磨かれていくんだなあ。 釣り堀で遊んでいた頃が懐かしい。
小百合は俺の部屋に入ってスマホを弄ってます。 お茶を飲んだ後は母ちゃんと話したくないとか言ってね。
まあ、あんだけ大激怒したんだからしょうがないよな。 スマホを弄りながら時々俺を見詰めてくるんだよな。
ドキっとさせられるぜ まったく。 美和みたいな眼遣いに心臓が撃ち抜かれた思いだぜ。
「ねえねえ弘明君。 高橋先生とはどうなのよ?」 「どうなのよって言われてもなあ。」
「最近は話もしてないの?」 「そうだなあ。 忙しそうだから。」
「様子でも見に行ってあげたら?」 「そう出来ればいいなあ。」
「優しいんだね。 宏明君は。」 「そうでもないよ。 何もしたくないだけ。」
「誰かさんみたいにしょっちゅう絡み付いてるわけじゃないんだからやっぱり優しいんだよ。」 「そうなのかなあ?」
「だと思うよ。 顔出したら優しくしてあげてね。」 「そうだね。」
「じゃあさあ私帰るわ。 お邪魔しました。」 何か小百合は嬉しそう。
もうすぐ三学期だなあ。 もうすぐ卒業だあ。
さてさて8日 火曜日になりました。 今日からいよいよ最後の最後の三学期だあ。
「吉田も浦川も道山も就職するんだからこれから面接に行ってもらうぞ。」 「今日から?」
「今日はまだまだだ。 明日から少しずつ面接が入ってくる。 お前たちも心して面接に当たるように。」 久保山先生もどっか寂しそうだなあ。
そうだよなあ、事務関係の仕事とか介護関係とかスーパーとか何件か求人に応募してるんだもんなあ。 どっかで働かなきゃ、、、。
「ねえねえ弘明君は何処に応募したの?」 「魚屋。」
「え? うちも求人票を出してたの?」 「出してたっておかしくないだろうなあ。 誰かさんはまーーーーーーったくやる気が無いんだから。」
「それってさあ、私のこと?」 「じゃなかったら誰なんだよ?」
「ひどーーーーーい。 最後の最後まで虐めるのね? 許さないんだからーーーーーー‼」 「香澄、騒がないの。 うるさいでしょう?」
「だって弘明君が、、、。」 「あんた、いつまで経ってもお子様なのねえ。 ちっとは周りのことを考えなさいよ。」
「だって、、、。」 「だってもくそも無いの‼ 進学組が最後の追い込みをしてるんだから静かにしなさい‼」
小百合はまたまた大噴火した。 これには律子まで縮み上がってしまって、、、。
「小百合、もうちっと穏やかに、、、。」 「ダメよ。 あんなお子様をほっといたらろくな大人にはならないから。」
俺はふとミナッチが吐き捨てた言葉を思い出した。 「あんたが嗾けるからこうなるのよ。 あんたも同罪だからね。」
香澄一人が騒いでるんだと思っていた。 でもそれは俺が嗾けて面白がっていただけだったんだ。
「どうしたの? しょんぼりしちゃって。」 小百合が俺に聞いてきた。
「ミナッチに図書館で言われたことを思い出したんだ。」 「何か言われたの?」
「あんたが嗾けるから面白がって騒ぐんだよ。 同罪だからねって。」 「それはそうかもしれないなあ。 これまで一番仲が良かったんだもんね。 分かるわ。」
「それにさあ、、、。」 ここで俺は小百合に耳打ちをした。
「一緒に風呂に入った時に勢いでエッチしちゃったんだ。」 「えーーーーー? それじゃあ香澄がますます思い込むじゃない。」
「そうなんだよ。 だからどうしようかって、、、。」 「弘明君も悩んでたのね。 もっと早く話してほしかったなあ。」
小百合は俺と話しながらしょげ込んでしまった香澄を見やった。 (こんな香澄とエッチしたのか、、、。)
その日は放課後まで香澄はしょんぼりしたまま。 何か言いたそうな顔はするんだけど小百合の顔を見ると逃げ出してしまう。
小百合は小百合で俺の傍にずっとくっ付いている。 まるでボディーガードみたいに。
「ねえねえ小百合。 仲いいね。」 律子が羨ましそうな眼で聞いてきた。
「もちろんよ。 ずっと友達だったんだから。」 「そうなの?」
「だって、、、ねえ。」 そう言いながら俺の手を握ってくる。
「見せ付けてるな お前。」 「誰に?」
「香澄にだよ。」 「ああ、あのお嬢様ね。 あんなのは黙らせとけばいいのよ。」
「グ、、、。」 「よく言ったって思ったでしょ?」
「はっきり言い過ぎですけど、、、。」 「怖いくらいがちょうどいいのよ。」
「俺だって怖いわ。」 「あら、そう? ごめんなさい。」
そのままで俺たちは駅まで歩いて行くのでありました。 何も起きなければいいけど、、、。



