俺の彼女は高校教師

 「こんばんは。」 「はーい。」
母ちゃんが出てみると香澄の父さんが糞真面目な顔で立っていた。 「浦川さん、、、。」
「香澄が来てますよね?」 「ええ。 まあ。」
「連れて帰りますから呼んでくださいな。」 「今からですか?」
「今からもくそも無い。 呼んでくださいな。」 お父さんに圧倒された母ちゃんは二階へ上がった。
「香澄ちゃん お父さんが来てるんだけど、、、。」 毛布をかぶって寝ている香澄を揺り起こす。
「え?」 「お父さんが迎えに来てるの。 帰ったほうが、、、。」
「分かりました。」 眠い目をこすりながら香澄が玄関まで来ると、、、。」
「さあ、行くぞ。 いいか。」 「う、うん。」
「吉田さん 香澄がご迷惑をおかけしました。」 そう言って父さんは出て行った。

 それを知らない俺は小百合の家でのんびりさせてもらってます。 「そろそろ帰るかな。」
「どうかなあ? 香澄のことだから弘明君の部屋で寝てるんじゃないの?」 「それはいつものことだ。」
「それにさあ、お父さんには言ってるのかなあ? 行ってなかったらたぶん今頃は、、、。」 「それもそうだな。 こないだも母ちゃんやらかしてるからな。」
「でしょう? 香澄のお父さんって曲がったことが嫌いだから大変だと思うよ。」 「だなあ。 今頃大喧嘩してたりして。」
 「明日、帰ればいいじゃない。 今夜は様子見よ。」 「そうだね。 じゃあ明日は、、、。」
「ここでゆっくりしてて。 何も持ってきてないでしょう?」 「そうだった。 定期も何も無いや。」
俺は初めて手ぶらで来たことに気付いたんだ。 やっちまったなあ。
そんなわけで今夜は小百合んちの遣ってない部屋でのんびりと寝させてもらうことにしたんだ。 お休み。
 翌日、学校では、、、。 「あれあれ? 香澄も弘明君も休み?」
「そうみたいねえ。」 「小百合、何か知ってるでしょう?」
「知らないわよ。」 「そうかなあ? そうとは思えないんだけど。」
「何でよ?」 「だって小百合の家から二人とも近いじゃない。」
「そりゃあ近いけどだからって知ってることにはならないわよ。」 「そりゃそうかもだけどなあ、、、。」
律子はどうも不満でありまして小百合の動きをじっと見詰めてます。 嫌な女だなあ。
 香澄はというとお父さんにしこたまお説教されて昨夜は押し入れで寝かされたんだとか、、、。 そして今日は朝から仕入れの手伝いをさせられてます。
朝もはよから仲買人の店に行って品定めをしております。 「そうだ。 でもまだまだだなあ。」
お説教以来、しょんぼりしたまま。 車に乗っても笑うことすら有りません。
お母さんはそんな香澄を見ながら心配ばかりしてます。 「お前は黙ってなさい。 可愛がるばかりじゃ大人にはならないんだから。」
「そうは言いますけど、、、。」 「嫌だったら別れてもいいんだぞ。」
「そこまでは、、、。」 「じゃあ黙ってなさい。」
ここまで来たらお父さんに任せるしかありません。 お母さんは泣きたいのを我慢して買い物に出ました。

 俺はというと美和も香澄も居なくなって何をどうしたらいいのか分からない状態。 家に居ても何となく手持豚差でやり切れない気分だ。
「弘明君はどうしてるかなあ?」 小百合は時々ボソッと言うんですけど誰も聞いてません。 クラスのみんなもどっか気が抜けてる。
そりゃそうだよな。 どっかで必ず香澄が切れまくって追いかけっこをしてたんだから。
 それが二人とも居ないんだぜ。 気が抜けるわな。
香澄はどうしてるのかな? 気にはなるけど気にしたところでどうしようもない。
 一日の授業が終わって小百合が帰ってきたのは5時半くらいだった。 「お昼、食べてくれた?」
「ああ、美味しかったよ。 ありがとう。」 「良かった。 ちょっと早起きして作ったんだ。」
「小百合が?」 「そうだよ。 私だとは思わなかったでしょう?」
「気付かなかったなあ。 美味かった。」 「嬉しいなあ。 食べてくれたなんて。」
 「さてさて、そろそろ帰ろうかな。」 「私も一緒に行っていい?」
「いいけど何すんの?」 「あのお母さんにもきちんと言いたいのよ。」
「それは香澄の父さんが、、、。」 「ダメダメ。 あの人は怒らせると何するか分からないから。」
「そりゃそうだけどさあ、、、。」 「こういうことはきちんと分かってもらわないと困るのよ。 いくら幼馴染でもやっていいことといけないことくらい有るでしょう?」
「そうだな。」 俺は小百合の迫力に押されてしまった。
 家に帰ってくると姉ちゃんが出てきた。 「弘明、何処行ってたのよ?」
「小百合んちだよ。」 「そうか。 小百合ちゃんちか。 ごめんね、小百合ちゃんにまで迷惑を掛けて。」
「は? 私は別に何とも思ってないけど。」 「いやいや、でも、、、。」
「香澄が悪いんです。 馴れ馴れしく遊びに来るから。」 「分かった。 分かったから玄関で吠えないで。」
 姉ちゃんは何とも言えない顔で居間へ入っていった。 そして、、、。
 「弘明。 ごめんね。 香澄ちゃんばかり可愛がって。」 「おばさん、ほんとにそう思ってますか?」
「思ってるわよ。」 「ほんとに反省してたら二度も同じことやらないと思うんですけど、、、。」 「それはそうね。」
「おばさんさあ、ほんとに弘明君のこと 考えてます? 考えてないでしょう? 卒業して働いてくれたらそれでいいって思ってるでしょう?」 「いやいやそれだけじゃ、、、。」
「じゃあ何なんですか? こないだはホットケーキで喜ばせて今回は夕食で香澄ちゃんを喜ばせて。 それでほんとに親なんですか?」 「、、、、。」
 小百合の追及は激しくなってきた。 「小百合ちゃん 小百合ちゃん、ちょっと、、、。」
「お姉さんは黙ってて。 おばさんに話してるんです。 何とか答えてくださいよ。」 「だから、、、。」
「だからもくそも無いんです。 香澄ちゃんに対して何でこうまで甘やかすんですか? おかしいでしょう?」 「それは、、、。」
「何も言えないんだったら私からお父さんに言いますよ。 今後、弘明君の家に香澄ちゃんを行かせないでくれって。」 「そこまでは、、、。」
「それくらいやらないといけないんです。 そんな所にまで来ちゃったんです。 じゃなかったら弘明君が夜に家を飛び出すことなんか無かったはずです。」
小百合の正論に母ちゃんは黙り込んでしまった。 「今後、香澄ちゃんは来ませんからそのつもりで居てくださいね。」
 言うことを言ってしまった小百合は振り返ること無く家を出て行った。 そこへ父さんが帰ってきた。
「弘明、何処に行ってたんだ?」 「小百合の家だよ。」
「だから小百合ちゃんが来てたのか。 後で詫びに行ってくるわ。」 「あなたは行かなくていいわ。 私がやったことだから。」
 何か知らんが今夜もまだまだ揺れまくってる。 夕食を食べて風呂に入っていたら、、、。
「あんたさあ、小百合ちゃんの家で何してたの?」って姉ちゃんが入ってきた。 「何にもしてねえよ。」
「じゃあ溜まってるな?」 「何がだよ?」
「いいからいいから。」 そう言うが早いか姉ちゃんはまたまた俺の膝に乗ってきた。
「甘えさせてあげるね。 ひ、ろ、あ、き。」 そう言いながらキスをしてくる。
(やべえなあ。 萌えちまうぞ。) その後はご想像にお任せしまーーーーす。
 ってなもんで姉ちゃんと萌えてしまったわけよ。 「やっぱりか。 溜まってたんだなあ。 あんた。」
「そうは言うけど、、、。」 「美和に嫌なことしちゃダメよ。 素直な子なんだからね。」
「う、うん。」 どうも姉ちゃんには見透かされてるような気がする。
膝に乗ってくる姉ちゃんはすごーーーーーーーく大胆なんだ。 そこまでしなくてもって思うくらいに。
でもそれだから余計に激しく萌えちゃうんだよなあ。 まいったぜ。

 香澄はというと一日父さんの傍で魚の見分け方やら捌き方やら接客の仕方やらを叩き込まれてます。 泣きたい気分らしい。
「お前も魚屋の娘なんだからこれくらいはやれないかん。 いいか。」 「う、うん。」
「今まで見たいに弘明君とじゃれ合うのは許さん。 いいな。」 「そ、それは、、、。」
「そんなんだから弘明君も愛想を尽かすんだ。 まだ分からんのか?」 「、、、。」
「まあいい。 明日もしっかり修行するんだぞ。」 「え、、、、、?」
もう11月も終わり。 カレンダーも残り1枚。
これからどうなるんだろう?