「ミャーオ。」 「何やってんのよ?」
「猫真似ですけど。」 「ふーん。」
「冷たいなあ。」 「これでもあったかいわよ。 私は。」
「お前はあったかいかもしれんけど俺は寒いんだよ。 馬鹿。」 「じゃあ暖めてあげる。」
そう言って香澄が冷たい手を差し出してきた。 「つめてえなあ。 馬鹿。」
「冷たかった? ごめんごめん。」 「わざとやっただろう?」
「わざとなんかじゃないもん。 ちゃんと考えたんだもん。」 「へえ。 何を考えたんだ?」
「今夜の夕食。」 「そうだなあ、ドッグフードいっぱいでいいか。」
「何よそれ?」 「夜飯って言うからさあ。」
「私はねえ、野良犬じゃないの。 分かってる?」 「分からないなあ。 ほら来たぞ。」
ドアを開いた電車に飛び乗る。 そしていつものシートへ。。
ドッカと腰を下ろして窓の外に目をやる。 線路沿いのスーパーもクリスマスのイルミネーションを飾り始めたらしい。。
「冬だなあ。」 「そうねえ。 あたしたちも暖まろうね。」
「何処でだよ?」 「あたしんち。」
「あの釣り堀でか?」 「馬鹿ねえ。 カサゴじゃないんだから。」
「お前はどう見てもサザエだけどなあ。」 「私さあ、眉毛も有るしおでこも有るわよ。」
「は? 何のこと?」 「サザエさんだって言ったでしょう?」
「俺、漫画の話はしてないんだけど、、、。」 「意地悪。」
電車は走る。 何処までもいつまでも。
それでもっていつもの駅に降りると今夜も香澄が付いてきた。 「またかよ?」
「いいじゃんいいじゃん。 仲良しなんだから。」 「お前がそう思ってるだけなんだけどなあ。」
「いいじゃん。 パンダ焼き食べたいなあ。」 「よく食べるやつだなあ。」
「何ですって?」 「何も言ってませんが、、、。」
「よく食べるやつだって言ったでしょう? 聞こえたんだけどなあ。」 (ゲ、聞いてやがる。)
「どういう意味なの? ねえねえねえ。」 「しつこいなあ。」
「ばらしてもいいのかなあ? お父さん怒るぞーーーー。」 「ダメダメダメ。 それは絶対ダメ。」
「でしょう? だったらパンダ焼き食べたいなあ。」 「しょうがねえなあ。 待ってろ。」
そんなわけでパンダ焼きを一つ買ってきましたわ。 「ほら、おやつ。」
「ありがとね。 優しいなあ お兄ちゃん。」 「アホか。」
「アホだもん。 宏明君じゃないと付き合えないわよ。」 「付き合ってるつもりは無いんだけどなあ。」
「いいのいいの。 そのうちに分かるわよ。」 「都合のいいやつだぜ。」
そうして香澄はまたまた俺の家にまでやってきたのであります。 「あらあら香澄ちゃん、また来たのね?」
「すいません。」 「いいのよ。 自分ちだと思ってのんびりしていってね。」
「はーーーーーい。」 (ちきしょうめ。)
二階に上がると香澄は窓から顔を出して辺りを見回している。 「何やってんだよ?」
「お父さん来てないかなと思って。」 「来るわけ無いだろう。」
「分かんないわよ。 「また行ってるな。」とかって思うと様子を見に来るんだから。」 「ってか、お前が俺んちに来過ぎるからそう思うんだろう?」
「何で私なのよ?」 「裏口から入るような人間なんだもんなあ。 お父さんだって心配でしょうがないだろうよ。」 「いいんだもん。 宏明君とエッチしたんだもん。」
「それとこれとは別だろうがよ。 馬鹿。」 「また馬鹿にした。。」
「ああ、ごめんごめん。 お前って馬鹿だったな。」 「どういう意味よ?」
「お二人さん、夕食だよ。」 いつもは下から叫んでる母ちゃんがドアを開けて入ってきた。
「うわ、。」 「何驚いてんだい?」
「いきなり来るから。」 「あっそうか。」
何か今夜も嫌ーーーーーーーな予感がしますです。 はい。
「いっただっきまーーーす。」 「元気良過ぎ。」
「いいじゃん。」 「ってことは家じゃ元気が無いってことなのかなあ?」
「そんなんじゃないんですけど、、、。」 「あのお父さんもお喋りだからなあ。 すぐ切れるし、、、。」
「香澄ちゃんも大変ねえ。 毎日宏明にくっ付いて。」 「俺のほうがもっと大変なんだけど。」
「あんたはいいの。 今は香澄ちゃんと話してるんだから。」 「あっそ。」
俺は何を思ったのか、箸を置いて家を飛び出していった。 もう夜なのに、、、。
後ろのほうで誰かが呼んでいる声が聞こえたけど振り向く気も無い。 いつもの通りを歩いていると真っ赤な車が走ってきた。
「美和じゃねえ?」 そうは思ったが車は意外にもスピードを出して走り去っていった。 (美和が走ってくるわけも無いよなあ。 あんなことやっちまったんだから。)
何だか自分が犯罪者になった気分である。 (逮捕された人ってどんな気分なんだろう?)
ふと夜空を見上げてみる。 星が瞬いているのが見える。
「俺も星になりてえなあ。」 バス通りを歩いて行く。
ブラブラ歩いていたら魚屋が見えてきた。 (こんな所にまで来ちゃったよ。)
「あれあれ? 宏明君じゃない? どうしたの?」 「誰かと思ったら小百合じゃん。 小百合こそどうしたんだよ?」
「ちょいと買い物してたのよ。 宏明君は何してんの?」 「ちょっとね、、、。」
「怪しいなあ。 また何かやったのね?」 「そうなんだ。」
それで小百合に香澄のことを話してみた。 「もう相手にしないほうがいいんじゃないの?」
「とは思うけど12年もくっ付いてたからさあ。」 「気持ちは分かるけど体に毒よ。」
「そうだなあ。」 「取り敢えずうちに来てよ。 通りじゃ話せないことも有るだろうし。」
それでまあ小百合の家にお邪魔したわけです。 美和のマンションへ行く道の途中だ。
小百合の部屋に入れてもらってさっきの話の続きを、、、。 「これからどうするの?」
「母ちゃんと仲いいから困るんだよ。 将来結婚するみたいな話になってるし。」 「やばいなあ。 だからって今から家に上がり込まれても、、、。」
「そこなんだ。 断っても付いてくるんだよ あいつは。」 「お母さんの問題ね。 きちんと話したほうがいいな。」
「うちの母ちゃんには話してるんだけどなあ。」 「違うわよ。 香澄のお母さんよ。」
「香澄の?」 「あのお母さん 香澄には何も言わないでしょう? だからダメなのよ。 うちなんて夜歩くだけですごーーーーく怒るんだから。」
「じゃあ俺も、、、。」 「弘明君は別。 いつも世話になってるから。」
「そんな世話した覚えは無いけど。」 「ノートも借りてるしねえ。」
そこへ小百合のお母さんがお茶とお菓子を持ってきた。 「いつもいつも世話になってるわねえ。 小百合からもありがとうって言うんだよ。」
「今言った所よ。」 「そうかそうか。 じゃあよろしくね。」
実は小百合の母さんは3年前に離婚したばかり。 だから昼間はずっと働き詰め・。
夜は7時くらいにやっと帰ってきてそれからバタバタ。 だからこの頃は小百合が夕食を作っている。
その頃香澄は? 俺の部屋でスマホを見ながらぼんやりしている。 (何で出て行っちゃったんだろう?)
電話しても繋がらないしメールも返ってこない。 ボーっとしたままいつか寝てしまうのでありました。
さらにさらに魚屋では? 「香澄はどうしたんだ?」
夕食を食べながらお父さんが不思議そうな顔をしてます。 「また弘明君の家にでも行ったんじゃないの?」
「お前は他人事だな。 それだから香澄が他所様に迷惑を掛けるんだ。 言うことはきちんと言いなさい。」 「でも香澄が、、、。」
「でももだもも要らないんだ。 こう毎日のように押し掛けられたら吉田さんだって大変だろう。 反対にこの家に弘明君が押し掛けてきたらお前だって嫌だろう?」 「それはそうですけど、、、。」
「それがそうなら連れ戻してきなさい。 甘やかし過ぎだ。」 「でも私には、、、。」
「お前がやらないんだったら俺がやる。 邪魔するなよ。」 そう言ってお父さんは夜の町へ出て行った。
「猫真似ですけど。」 「ふーん。」
「冷たいなあ。」 「これでもあったかいわよ。 私は。」
「お前はあったかいかもしれんけど俺は寒いんだよ。 馬鹿。」 「じゃあ暖めてあげる。」
そう言って香澄が冷たい手を差し出してきた。 「つめてえなあ。 馬鹿。」
「冷たかった? ごめんごめん。」 「わざとやっただろう?」
「わざとなんかじゃないもん。 ちゃんと考えたんだもん。」 「へえ。 何を考えたんだ?」
「今夜の夕食。」 「そうだなあ、ドッグフードいっぱいでいいか。」
「何よそれ?」 「夜飯って言うからさあ。」
「私はねえ、野良犬じゃないの。 分かってる?」 「分からないなあ。 ほら来たぞ。」
ドアを開いた電車に飛び乗る。 そしていつものシートへ。。
ドッカと腰を下ろして窓の外に目をやる。 線路沿いのスーパーもクリスマスのイルミネーションを飾り始めたらしい。。
「冬だなあ。」 「そうねえ。 あたしたちも暖まろうね。」
「何処でだよ?」 「あたしんち。」
「あの釣り堀でか?」 「馬鹿ねえ。 カサゴじゃないんだから。」
「お前はどう見てもサザエだけどなあ。」 「私さあ、眉毛も有るしおでこも有るわよ。」
「は? 何のこと?」 「サザエさんだって言ったでしょう?」
「俺、漫画の話はしてないんだけど、、、。」 「意地悪。」
電車は走る。 何処までもいつまでも。
それでもっていつもの駅に降りると今夜も香澄が付いてきた。 「またかよ?」
「いいじゃんいいじゃん。 仲良しなんだから。」 「お前がそう思ってるだけなんだけどなあ。」
「いいじゃん。 パンダ焼き食べたいなあ。」 「よく食べるやつだなあ。」
「何ですって?」 「何も言ってませんが、、、。」
「よく食べるやつだって言ったでしょう? 聞こえたんだけどなあ。」 (ゲ、聞いてやがる。)
「どういう意味なの? ねえねえねえ。」 「しつこいなあ。」
「ばらしてもいいのかなあ? お父さん怒るぞーーーー。」 「ダメダメダメ。 それは絶対ダメ。」
「でしょう? だったらパンダ焼き食べたいなあ。」 「しょうがねえなあ。 待ってろ。」
そんなわけでパンダ焼きを一つ買ってきましたわ。 「ほら、おやつ。」
「ありがとね。 優しいなあ お兄ちゃん。」 「アホか。」
「アホだもん。 宏明君じゃないと付き合えないわよ。」 「付き合ってるつもりは無いんだけどなあ。」
「いいのいいの。 そのうちに分かるわよ。」 「都合のいいやつだぜ。」
そうして香澄はまたまた俺の家にまでやってきたのであります。 「あらあら香澄ちゃん、また来たのね?」
「すいません。」 「いいのよ。 自分ちだと思ってのんびりしていってね。」
「はーーーーーい。」 (ちきしょうめ。)
二階に上がると香澄は窓から顔を出して辺りを見回している。 「何やってんだよ?」
「お父さん来てないかなと思って。」 「来るわけ無いだろう。」
「分かんないわよ。 「また行ってるな。」とかって思うと様子を見に来るんだから。」 「ってか、お前が俺んちに来過ぎるからそう思うんだろう?」
「何で私なのよ?」 「裏口から入るような人間なんだもんなあ。 お父さんだって心配でしょうがないだろうよ。」 「いいんだもん。 宏明君とエッチしたんだもん。」
「それとこれとは別だろうがよ。 馬鹿。」 「また馬鹿にした。。」
「ああ、ごめんごめん。 お前って馬鹿だったな。」 「どういう意味よ?」
「お二人さん、夕食だよ。」 いつもは下から叫んでる母ちゃんがドアを開けて入ってきた。
「うわ、。」 「何驚いてんだい?」
「いきなり来るから。」 「あっそうか。」
何か今夜も嫌ーーーーーーーな予感がしますです。 はい。
「いっただっきまーーーす。」 「元気良過ぎ。」
「いいじゃん。」 「ってことは家じゃ元気が無いってことなのかなあ?」
「そんなんじゃないんですけど、、、。」 「あのお父さんもお喋りだからなあ。 すぐ切れるし、、、。」
「香澄ちゃんも大変ねえ。 毎日宏明にくっ付いて。」 「俺のほうがもっと大変なんだけど。」
「あんたはいいの。 今は香澄ちゃんと話してるんだから。」 「あっそ。」
俺は何を思ったのか、箸を置いて家を飛び出していった。 もう夜なのに、、、。
後ろのほうで誰かが呼んでいる声が聞こえたけど振り向く気も無い。 いつもの通りを歩いていると真っ赤な車が走ってきた。
「美和じゃねえ?」 そうは思ったが車は意外にもスピードを出して走り去っていった。 (美和が走ってくるわけも無いよなあ。 あんなことやっちまったんだから。)
何だか自分が犯罪者になった気分である。 (逮捕された人ってどんな気分なんだろう?)
ふと夜空を見上げてみる。 星が瞬いているのが見える。
「俺も星になりてえなあ。」 バス通りを歩いて行く。
ブラブラ歩いていたら魚屋が見えてきた。 (こんな所にまで来ちゃったよ。)
「あれあれ? 宏明君じゃない? どうしたの?」 「誰かと思ったら小百合じゃん。 小百合こそどうしたんだよ?」
「ちょいと買い物してたのよ。 宏明君は何してんの?」 「ちょっとね、、、。」
「怪しいなあ。 また何かやったのね?」 「そうなんだ。」
それで小百合に香澄のことを話してみた。 「もう相手にしないほうがいいんじゃないの?」
「とは思うけど12年もくっ付いてたからさあ。」 「気持ちは分かるけど体に毒よ。」
「そうだなあ。」 「取り敢えずうちに来てよ。 通りじゃ話せないことも有るだろうし。」
それでまあ小百合の家にお邪魔したわけです。 美和のマンションへ行く道の途中だ。
小百合の部屋に入れてもらってさっきの話の続きを、、、。 「これからどうするの?」
「母ちゃんと仲いいから困るんだよ。 将来結婚するみたいな話になってるし。」 「やばいなあ。 だからって今から家に上がり込まれても、、、。」
「そこなんだ。 断っても付いてくるんだよ あいつは。」 「お母さんの問題ね。 きちんと話したほうがいいな。」
「うちの母ちゃんには話してるんだけどなあ。」 「違うわよ。 香澄のお母さんよ。」
「香澄の?」 「あのお母さん 香澄には何も言わないでしょう? だからダメなのよ。 うちなんて夜歩くだけですごーーーーく怒るんだから。」
「じゃあ俺も、、、。」 「弘明君は別。 いつも世話になってるから。」
「そんな世話した覚えは無いけど。」 「ノートも借りてるしねえ。」
そこへ小百合のお母さんがお茶とお菓子を持ってきた。 「いつもいつも世話になってるわねえ。 小百合からもありがとうって言うんだよ。」
「今言った所よ。」 「そうかそうか。 じゃあよろしくね。」
実は小百合の母さんは3年前に離婚したばかり。 だから昼間はずっと働き詰め・。
夜は7時くらいにやっと帰ってきてそれからバタバタ。 だからこの頃は小百合が夕食を作っている。
その頃香澄は? 俺の部屋でスマホを見ながらぼんやりしている。 (何で出て行っちゃったんだろう?)
電話しても繋がらないしメールも返ってこない。 ボーっとしたままいつか寝てしまうのでありました。
さらにさらに魚屋では? 「香澄はどうしたんだ?」
夕食を食べながらお父さんが不思議そうな顔をしてます。 「また弘明君の家にでも行ったんじゃないの?」
「お前は他人事だな。 それだから香澄が他所様に迷惑を掛けるんだ。 言うことはきちんと言いなさい。」 「でも香澄が、、、。」
「でももだもも要らないんだ。 こう毎日のように押し掛けられたら吉田さんだって大変だろう。 反対にこの家に弘明君が押し掛けてきたらお前だって嫌だろう?」 「それはそうですけど、、、。」
「それがそうなら連れ戻してきなさい。 甘やかし過ぎだ。」 「でも私には、、、。」
「お前がやらないんだったら俺がやる。 邪魔するなよ。」 そう言ってお父さんは夜の町へ出て行った。



