違う、特別とかじゃない……!
言葉に詰まる私を見て、少し目を伏せた裕貴くんは、急に距離を縮めてきて。
「俺、頑張ってもいいかな」
「え……?」
「麗ちゃんがまだ気持ちを自覚してないなら、チャンスだよね」
「チャンス?」
「うん。俺、欲張ってみるね」
裕貴くんの綺麗な瞳の奥は少しも揺らいでいなく真っ直ぐで。
私の気持ち?
言葉の意味を上手く理解できないまま、気づいたら教室に戻ってきていた。
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「お待たせ、うら」
「お兄ちゃん、知世くん」
放課後、玄関でお兄ちゃんと知世を待っていると二人は私の所にやってきて。
「帰ろう」と言って下駄箱に行こうとした時、何人かの男女の声が聞こえてきた。
「あ、あの子じゃん天使様」
「うわっ、可愛いね。そりゃ波澄くんもゾッコンでしょ」
「え、そうなの?」
「こないだ皐月(さつき)が波澄くんに告ったら振られたんだってよ」

