見せかけロマンチック




あ、あれ……?なんでそんな、初めて言われました、みたいな反応するんだ……?


「裕貴くん……?」

「っ、麗ちゃんにかっこいいって言われると思ってなくて……」

「え?」

「うわーっ、ごめん、不意打ちだ……っ」


顔を両手で隠す裕貴くんの反応に驚いてしまう。
正直に言っただけなんだけど……まあ確かに不意打ちだったかも……?


「ご、ごめんね、嫌だった?」

「それは違う!嬉しい!」

「ならよかった」

「…麗ちゃんは、波澄先輩が好きなの?」

「っ、え!?」


安心して笑う私に、子犬のような目をしてそう聞いてきた。
せっかく知世が頭から離れたのに、また思い出して変な反応を取ってしまう。

っ、なっ、んで知世……っ!?


「ううん、私、そんなこと考えたこともなくて…っ」

「…そうなの?本当に?」

「本当…っ!知世くんは、その……」


『俺は麗の特別』という、さっきの言葉が急に出てきてボンッと顔が赤くなってしまう。