見せかけロマンチック




そう聞きながら、じわじわと身体中に熱が溜まってくる。

そんな私の反応を見て笑った知世はあまりにも小悪魔だ。


「大槻くんに嫉妬してたんだよね。まあ、もういいや。今は俺が優勢だし」

「…っ、ぇえ!?」


じゃあさっきの行動全部ヤキモチ妬いてたってこと……っ!?
それに気づいてぶわわっと耳まで熱くなって、心臓がドキドキと暴れ出した。

なにこれ、なにこれなにこれ……っ!
ドキドキがうるさい止まんない……っ!!


「いいこと教えてあげよっか」

「っ、近……っ!」

「俺のこと知ってんのも麗だけだよ」

「ひぅ…!」

「…へぇ、耳弱いんだ。いいこと知っちゃった」


私の耳元に顔を近づけた知世は、内緒話でもするかのように小さい声でそう呟いて。
ゾクゾクっと身体が震えて、変な声が出てしまう。

すると、顔を離した知世は口角を上げて呟いた。
耳が弱点なんて、私だって知らなかったのに……!!