「おい知世……!ごめんねうら、もう行くから」
「あ、うん。急いで着替えて」
「またねうらちゃん」
知世と裕貴くんの睨み合いを止めたのはお兄ちゃんで。
知世の肩を掴んで私に手を振るお兄ちゃんに私も手を振り返す。
急がないとチャイムなっちゃうから……。
知世もまた私に笑顔で手を振って、二人で教室を出て行った。
二人がいなくなったあとの教室はもっとうるさくて。
「…なんだったの?」
「麗の取り合いだろどう見ても。あーもっと見たかったのにー」
ポカーンとする私に、なずは名残惜しそうな声を出す。
そんななずを横目で見て思わずため息をついてしまった。
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次の日のお昼休み。
最後の一口を食べ終えてお弁当をしまう。
「…あー……眠くなってきた」
「たべたあふぉらしね」
「なんて?飲み込んでから喋って」
「食べたあとだしね」

