バッカやろーーー!!!と頭の中でパニック。
しっかりしろ私、笑顔を保て!!!
「えっ!?裕貴くんと知り合い!?」
「まってやばい!!現実!?」
「推ししかいない……」
知世の突然の行動に、私だけじゃなく周りもパニックのようだ。
お兄ちゃんも驚いたように私と知世を交互に見ている。
どうしようか困ってるんだな。お兄ちゃん天使だわ。
「…へぇ、うらちゃんの隣の席なんだね」
「はい、そうです」
「…俺、大槻くんと仲良くしたいな」
「え…ほんとですか!?嬉しい!」
知世が王子様のように笑ってそう言うと、あまりにも素直すぎる回答が裕貴くんから帰ってくる。
……裕貴くん、人を疑え。信用するな。この男はヤバい。
チラッと知世を見ると、一瞬驚いたように目を見開いて。
これはあれだ。思ってた反応じゃなかった時の顔だ。
だから言ったでしょ、裕貴くんは素直で良い人なんだって……!!

