見せかけロマンチック




だからお兄ちゃんは制服で知世は体操着着てたのか……!

と納得して自分の体操着を取り出す。


「あ、ほんとだ。これお兄ちゃんの」

「よかった!それもうらのだったらどうしようかと」

「そしたらはると一緒に俺もうらちゃんの着るよ」

「もう、知世くん。冗談やめて」


ほんっとに冗談やめて????
まじで嫌だから。着んな絶対。てか着れねえだろ身長違いすぎて。そのまま大人しく自分の着ろや。

困ったような笑みを浮かべる天使様の心の中は今日もツッコミで溢れている。


なのにこんな変な発言も周りは、な!ぜ!か!知世を王子様だと捉えていて。
なんなら、「遥様が一人にならないようにの発言!友達思いなのね、優しい〜!」って。

いやおかしいだろ。


すると、知世は私から目線を外して隣の席に持っていって。


「…あれ、大槻くん」

「え?あ、こんにちは波澄先輩」


なに裕貴くんに絡んでんのーーー!!!