知世の言葉に、やば!と思い咳払いする。
周りに聞こえて……ないよね!危ねぇ〜……!
「ぶ…っ!ごめんあそばせって……っ!」
「あら王子様。笑い方がはしたないわ」
「ふ…っ、失礼いたしましたお姫様」
「姫?私天使ですけど」
「天使様は猫かぶりなうらちゃん。麗はどちらかと言うと姫だろ。わがまま姫?」
「ぶっ飛ばすぞ」
わがまま……!?私そんなにわがまま言ってないけど!?
小声だからって何言ってもいいと思ってんのか…!!
お互い猫かぶりな笑顔を浮かべながら、周りからは想像出来ないような言葉を並べていく。
「でもよくね?王子様とお姫様って感じで」
「セットにすんなよ」
「嬉しいくせに」
ピクピクと口角が引き攣りそうになりながらそう返す。
もう、なんなんだよこいつ……!!
そのまま自動販売機に着いてしれっと私の分の水まで買ってくれたけど、こんなのでチャラにしてやんないんだから!
そう思って水を受け取り教室に戻った。

