見せかけロマンチック




「…麗ってバカなの?」

「は?首席様だぞおい」

「変なとこでバカ真面目だよね。そんなの考えなきゃいいのに」

「……確かに」


バカと言われ笑顔のまま小声で暴言を吐くと、なずは呆れたように言葉を続けた。

そのなずの言葉に正直納得してしまう。

兄妹だろうが友達だろうが、どんな関係だとしても態度が変わるわけじゃない。

関係に名前がないと不安になるとか、そんなめんどくさいタイプじゃないんだけどなー私。


「なんでこんなこと考え始めたんだろ私……バカみたいだわ」

「手強いねあんた。知世先輩が気の毒」

「…なにそれ」

「それでウジウジ悩むなら直接聞いてみれば?ただし!二人の時にね!」


二人の時……?めっちゃ強調したな。
ビシッと私に言い切ったなずに、おお……とぎこちなく頷く。


すると、後ろの席から会話が聞こえてきて。


「ねぇ筆箱忘れた!」

「え、がち?シャーペン貸そっか?」

「お願い〜!!」

「でも消しゴム二個ないわ」