見せかけロマンチック




ソファの上で体育座りをしながらため息をつく。

お母さんもお父さんもお兄ちゃんも、過保護だからな。
まあ今日みたいに絡まれたりしたら大変だから、気持ちはわかるけど。


知世は床に座ってテーブルに腕を伸ばしていて。

そんな知世を見て、聞いてみたいことが頭に浮かんだ。


「ねえ、知世って付き合ってる人とかいないの?」

「は?付き合ってる人?いない」

「あんなにモテモテなのに?うちにばっかり来てるし、もったいないなって思うんだけど……あ」

「なんだよ」

「もしかして、お兄ちゃんのこと……!?」


さっき女の子達に囲まれているのを見て、恋人いないのかなってふと気になっちゃって。

そう考えているうちに、まさか……と変な結論に至ってしまう。

そんな私を見て知世は、は?って顔をした。


「あほか。どこをどう見てそう思った」

「さすがに違うか。お兄ちゃんといる所しか見ないしって思って」

「……なに、麗は恋愛したいの?」