見せかけロマンチック




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「また明日ね、なず」

「ばいばーい!」


放課後になり、なずに手を振って玄関に向かう。
SHRちょっと長かったから、もしかしたらもう二人とも待ってるかも。

なんて思いながら廊下を歩く。
その間も「天使様だ……」なんて声が周りで溢れ返っていて、気にしないふりをした。



……あ、やっぱりもういた。

玄関に着くと、お兄ちゃんと知世がもう既に私を待っていて。
その周りには複数人の女の子が二人を囲んでいた。


「王子〜!悠様〜!ここでなにしてるの〜?」

「人待ってるよ」

「え、もしかして一年の天使様!?てか悠様と兄妹ってやばくない?羨ましすぎ!」

「王子は兄妹じゃないよね?どういう関係なの?」

「えー、内緒」

「王子秘密主義すぎ!そんなとこも好きだからいいけどー」


近づくにつれて会話が鮮明に聞こえてくる。

女の子からの問いかけには基本的に知世が優しく笑って答えていて。
お兄ちゃんは困ったように笑っていた。