焦り出すお兄ちゃんに笑いかけると、よかった…と安心していて。
三人に心配かけてたことに気づいて申し訳なくなる。
「はーお腹空いた。早く食べようぜ」
すると知世がそう言いながら塔屋の上に登っていって。
それにお兄ちゃんも動き出した。
「ごめんなず!食べよ」
「いいよ全然。元気そうでよかったよ」
「ご心配おかけしてすみません」
私はなずと一緒にフェンスの方に行ってそこに座る。
「…やっぱり私、大槻くんじゃなくて知世先輩派だわ」
「は?いつまで言ってんのそれ」
「だって!麗一人じゃ危ないから私も行こうかなって思ってたら、知世先輩が真っ先に追いかけてったんだよ」
「え」
「めっちゃ過保護じゃん!?びっくりしたよ、あの顔超焦ってたもん」
なずはお弁当を開けながら目をキラキラさせてそう話して。
…そ、そんなに心配してくれてたの?駆けつけて来た時、あんなに平然としてたのに。
なんだか照れくさくて、急いで卵焼きを口に入れた。

