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「うわっ!天気良!!てか広ー!」
「…声でかいな」
屋上に着いて、なずが大きい声ではしゃぐ。
完全に扉を閉めたのを確認してから、はぁーーと大きくため息をついた。
「でた麗の本性!久しぶりだね〜麗チャン」
「だる絡みすぎるでしょ。フェンスの方行こうよ」
「おっけい!」
私の変わりように笑っているなずを置いて端の方に歩き出す。
「よう麗」
すると、上の方からそんな声が聞こえて顔を上げた。
屋上の塔屋の上に座っている知世とお兄ちゃんを見つけて「あっ」と声が出る。
「そこにいたの?びっくりした」
「俺らの定位置。な?はる」
「ここが一番落ち着くよね。なずなちゃんも久しぶり」
「お久しぶりです悠先輩」
穏やかに笑うお兄ちゃんにペコッと頭を下げたなず。
「あ、なずなちゃんって麗の友達の?」
「あ、初めまして」

