見せかけロマンチック




「じゃあ委員長は天羽で決定なわけだが、次は副委員長だ。誰か立候補いるか?」


先生のそんな声掛けも耳に入らないぐらいショックで、表情に出ないようにするのに必死だった。


「やっぱ裕貴じゃね?」

「は?なんで俺?」

「裕貴適任だろ。誰とでも打ち解けるし、好かれやすいからさ」

「そうか?わかんないけど」


…っえ、裕貴くん?

まさかの話の流れに隣を見てしまう。
裕貴くんも困惑したような顔をしていて、その気持ちわかる、と勝手に共感してみたり。


「えっ、確かに裕貴くん良くない?私的には目の保養すぎてありがたいんだけど」

「天使様と裕貴くんなんて需要ありすぎる」

「うちのクラスといえば天使様と裕貴くんだし!」


うちのクラスといえば私と裕貴くんって……顔でしょ?

女の子達の賛成の声に裕貴くんが気の毒になってしまう。
いや、大分私も可哀想だけど。顔で決められるなんて。