見せかけロマンチック




「謙虚だなー。三年間ボロでないようにね」

「……ふふ」


なずの意味深な言葉に、私は笑顔を返す。

ボロが出ないように。
そんなヘマはしない。何年この感じで過ごしてると思っているの。


「あはは…っ!まあまあ、私も協力するから」

「ありがとう」

「うちら同じクラスだったもんねー!運命かな」

「同じクラス嬉しい。よろしくね、なず」

「こちらこそよ」


通常の声の音量に戻って話すなずに私も合わせる。

そんな私に笑顔を向けたなずは、私の後ろに目線を向けて。


「じゃ、私行くわ。また明日!」

「え?うん、バイバイ」


ニヤッと笑い急に私に手を振ってその場を去っていった。


「あの子まじ可愛い…」

「仲良くなりてぇー」

「今声掛けてくる?一人になったっぽいし」


お母さん探しに戻ろうとすると、近くにいる男子達からそんな声が聞こえてきて。