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「じゃあまず学級委員長を決めるんだけど、誰か立候補いないかー?」
一時間目は委員会決めの時間。
先生の合図にクラス中がザワつくが、誰も手を挙げる人はいない。
…絶対嫌。
楽なやつ選ぼう……めんどくさいし。委員長とか特にやりたくない。
なんて思いながら、なずの方に顔を向けるとパチッと目が合った。
『なににする?』『楽なやつ』『やっぱそうだよね』『美化委員は?』『あ、いいね』
口パクで会話をしながら、口の動きを周りに読み取られないように笑顔で誤魔化す。
美化委員でいいや。なずと二人で一緒のやつの方が良いし。
そう思って前を向こうとした時。
「あの、推薦なんですけど、天羽さん適任だと思います」
「え」
そんな声が響いてピタッと固まってしまう。
なずも驚いたように声の方を見ていて。

