見せかけロマンチック




自覚しすぎてるわ。なんなら全人類で一番可愛いと思ってるし。
なんて心の中で反論する。


「まあ私はずっと悠先輩のお友達派だけどね。麗とお似合いでしょ」

「…知世くん?なずそれよく言ってるよね」

「うん、知世先輩ってやっぱ麗のことよく分かってるだろうし。てか逆に麗は好きじゃないの?あんなかっこいいのに」

「そんなの考えたこともないよ」


知世を好き…?確かにかっこいいけど、知世はお兄ちゃんみたいなもんだし。


「え〜、麗は恋したいって思わないの?」

「…それは、思うよ」

「やっぱり!?誰が麗の心掴むんだろうね!」


なんでそんなウキウキなんだよ……。

なんて微笑みながらも思っていると、タイミング良く先生が来てなずは帰っていった。


…恋か。それはしてみたいかも。

なんて、なずが席に戻ったあとも少し考えてしまった。