見せかけロマンチック





「私も好き」

「…っ、は、なに急に」

「急?この流れだっただろ」

「麗いつも好きって言わねえじゃん」

「今日はそういう気分だったの」


照れて狼狽える知世に、私は少し意地悪な顔をしてみた。



どんな状況でも、私達は相変わらずだ。


でもそんなありのままの日常が一番居心地良くて、楽しくて、かけがえのない大切なもの。

これから先もずっと明るく笑い合っていたい。



そう思いながら知世と見つめ合い、いつものように「ぶはっ」と二人で笑った。



見せかけばかりな天使と王子の、見せかけじゃない恋の結末には────。


他の誰とも変えられない、唯一無二のロマンスを。




Fin.