見せかけロマンチック




見せかけじゃない、ありのままの姿でニコッと笑うと、知世も同じように返してきた。


「帰るか?麗香さん待ってるし」

「そうだね」


知世の言葉に、お母さんをチラッと見ると楽しそうに手を振っていて。

知世と強く手を握ってお母さんの方に歩き出す。


「んふふ」

「…え、笑い方どうした」

「いや、なに引いてんだよ」

「引くだろそりゃ」

「こんな私も好きでしょ」

「まあね。そんな麗が好きだよ」


歩きながら知世にそう言うと、サラッとそう言葉が返ってきて。

嬉しくて、強く手を握り返す。