知世のその笑顔に胸がギューッといっぱいになって、ははっと乾いた笑みが漏れる。
なずが私を見て笑って頷く。
そして、私は学校内で見せたことのないような素の笑みを浮かべて知世の元に走った。
これは見せかけでもなんでもない、本当の私。
「知世!」
知世の目の前まで駆け寄ると、勢いよくギューッと抱きつく。
それに、「うおっ」と声を出しながら知世は私を受け止めた。
「卒業おめでとう」
「ありがとう!」
卒業式ではうるっと来なかったのに、知世の声を聞いて少しうるっと来てしまう。
「ぶは…っ!泣きそうじゃん」
「うるっさい!言わなくていい!」
「あーはいはい。三年間お疲れ」
そう笑って私の頭をポンポンと撫でてくれる。
知世の言う「お疲れ」の意味には、猫かぶりの意味が含まれているのだろう。
周りの視線が全部私達に向いていることに気づくけど、全く気にせずにお互い素を晒している。

