見せかけロマンチック




「な」って口から出るつもりが「ぬあ」になっていた。深い。

楽しそうに笑う知世に、恥ずかしさと嬉しさが混ざる。

付き合っても私達は変わらない。
知世がこういう私を好きだって言ってくれてるように、私もいつもの感じの知世が好きだから。

お昼のお兄ちゃんとなずに言われたことを思い出して、少し笑ってしまう。


「それにしても」

「…?なに」

「可愛い顔してんね」

「っは?」

「溶けそうなぐらい甘い顔してるよお前」

「…っ!?」


キスをしてた時に溜まっていた涙のおかげで、目の前が少しぼやけている。

溶けそうなぐらい甘い顔って……っ!!

私の顔をよく見るようにグイッと持ち上げてきて、知世から目が離せなくなる。


「み、見るなぁ……っ!」

「こんな可愛い顔、見るなは無理だろ」

「恥ずかしいから……っ!」

「いつも自分の顔可愛いって言ってるくせに?」

「可愛いけど、この顔はだめ…っ!」