見せかけロマンチック




「おはよう麗ちゃん!」

「あ、裕貴くんおはよう」


すると、裕貴くんが席に来て声をかけてくれて。

夏休み中に少し焼けたのかな。
変わらず爽やかに笑う裕貴くんを見て笑い返す。


「菊川さんもおはよう」

「おはよう大槻くん」

「楽しそうなお話してるから気になっちゃって」

「えっ、聞こえてた!?」

「少しだけね」


そう言う裕貴くんを見て、なずは焦っていて。
二人がこうやって話してるとこあんま見たことないな……と思う。


「そういえば席替えするらしいよ」

「え?そうなの?」

「うん、友達が言ってた。麗ちゃんと離れちゃうね」

「良い席だったのにね」


残念そうにする裕貴くんに、私も少し残念な気持ちになる。

裕貴くん話しやすかったからなー……私の素も知ってるし。
まあ二学期だから席替えするんだろうけど。


「席離れても俺と話してね」

「うん、当たり前だよ」

「やった!」