見せかけロマンチック




気にすんな、と言った知世にそーだそーだ!と乗る。

あーー、とお兄ちゃんは悩むように声を出したあと、スマホを取りだして。


「…聞いてみる」

「ほんと!?」

「頑張るしかないじゃんー…」


自信なさそうにスマホと睨めっこするお兄ちゃんを、ふふふと微笑ましく見つめる。

知世と付き合ったけど、こうやって三人でいる時間が好きだ。
そこになずがいてくれたらもっと最高。

ニシシ、と知世と目を合わせて笑う。


「二人って団結力あるよね……」

「まあね〜」

「はぁ……なんでそんな楽しそうなんだか」


私達を見てため息をついたお兄ちゃんに、「ぶはっ」と二人で笑った。



────────────────
────────



そんなこともあり二学期。


「久しぶりの天使様可愛い……!!」

「王子ー!!久しぶりー!!」

「悠様美しすぎて発光してる……」


玄関に向かう途中、朝からいつも以上の歓声を浴びる。