見せかけロマンチック




全く悪いと思っていない顔で、サラッとそう言った知世に目を見開いてしまう。


「なんっで、息切れ、してないんだよ…っ」

「麗チャンが息継ぎ下手なんじゃない?」

「っ、うるっせえ!!」


私を見て笑う知世に、うわああ!!と大きな声を出す。

確かに下手かもだけど!!知世だって初めてのくせになんでそんな余裕なんだよ!!


「大丈夫、上手くなるよ」

「なる…?」

「いっぱいすれば慣れるだろ」

「…っ!!」


ニコッと笑った知世を見て、身体中が熱く火照る。

いっぱい…っ!?
ポワワーンと想像してしまって恥ずかしくて悶えた。


「もう一回する?」

「っ、今日はもう無理!」

「さすがに刺激強いか。じゃあギューね」

「ぐえ…っ、強えな力!」


はいギュー、と言いながら私を抱きしめた知世に変な声が出る。

逃げる隙間もないぐらい強く抱きしめられて、知世へのドキドキと愛しさが溢れて止まらなかった。