横から声がかかって身体を向けると、知世が私の隣にやって来た。
「えっ、天使様近くで見るともっと可愛いな」
「さすが悠の妹。顔面偏差値強すぎ」
「え……?あの……」
すると、知世の後ろからひょこっと顔を出した二人の男子が私に近づいてきて。
だ、誰……?
困惑して目を見開くと、知世が二人の腕を掴んだ。
「亮(りょう)大智(たいち)、近いよ。うらちゃん困ってるでしょ」
「いっでででで!!!」
「お前言動合ってねぇんだよ!!離れるから離せ!」
な、なに……?なにしてんの……。
目の前で繰り広げられる争いに戸惑ってポカーンとしてしまう。
どうやら笑顔で優しく注意する割に、知世の腕の力が強かったみたいで。
知世から離れた男子二人は掴まれた場所を摩っていた。
「ねぇ天使様大丈夫?こいつに酷いことされてない?」
「あ、俺ら知世と悠の友達なんだけど。俺は大智でこっちが亮」
「そ、そうなんですね」

