お兄ちゃんの言葉に、急いで洗面所を出て荷物を取りに行く。
だって、あの知世と!付き合ったんだよ!
こんな未来、過去の私は予想してなかった!
浮かれてもおかしくないでしょ!
ソワソワしながらスクバに必要なものを入れて詰めていく。
玄関から物音がして、パッと顔を上げてスクバを持つ。
「知世…!おはよう!」
「お、おお……おはよう。勢いすげえな」
「待ってたから!」
玄関に駆け寄ると、知世が驚いたように私を見て。
にひひ、と変な笑い声を出して笑顔を向ける。
う、わあ…っ、知世がキラキラして見える!!
私の、彼氏……!!
「ねえ知世、今日の私ビジュ爆発なの!知世のおかげだ!」
「俺?」
「うん、だって女の子は恋すると可愛くなれるらしいから…!」
浮かれすぎだ。完全に浮かれすぎた。
いつもなら恥ずかしくて言えないようなことを、こんなにも簡単に言ってしまっている。

