「ねえ、お兄ちゃん」

「どうした?」

「今日の私、過去一可愛くない…?」


次の日の朝、洗面所の鏡を見ながらお兄ちゃんに話しかける。

え、本当に可愛い。なんで?なんでこんなに可愛いの私。

真面目な私の言動に、お兄ちゃんは呆れたように笑って。


「うん可愛いよ。いつも以上に目がキラキラしてる」

「だよね!?なんで?いつもと同じはずなのに」

「浮かれてるんだね」


お兄ちゃんの言葉に、ピタッと動きを止めて顔が赤くなる。

絶対それだ……!
恋すると女の子は可愛くなるってよく言うもん!!
実ったんだから余計!


昨日、知世と付き合うことになってからずっと浮かれている。
家に帰って「ただいま」より先にお兄ちゃんに付き合ったことを話したぐらいだ。


私、恋と相性良くない!?元々可愛いのに、もっと可愛くなれるなんて!!


「そろそろ知世来るんじゃない」

「っ!荷物荷物!!」