見せかけロマンチック




そんな知世の表情に、胸がキュッと掴まれる。

今ならわかる。
こんなにもわかりやすく、私のことめっちゃ好きだって顔に書いてある。


「っ、ほんと?嘘だろ、え?俺、まだ友達って思われてるのかと」

「一ヶ月前ぐらいから知世のこと好きだよ」

「…っは!?言えよ!」

「はあ!?あんたもね!?」


知世は耳を赤くして動揺していて。

なんなんだよ!!
と思いながらまたいつものように言い合いをする。


そして見つめ合って「ぶはっ!」と二人して笑いだした。


「あー…まじか。うわー……」

「っ、ぐえっ」

「ふ…っ、麗の驚き方毎回面白い」

「〜っ、急に抱きつくから!」


突然知世から強く抱き締められて変な声が出てしまう。

それに楽しそうに笑う知世に、もう!と思いながら抱き締め返した。


「付き合ってくれる?」

「…っ、うん!」


抱き締めたまま聞いてくる知世に、うわああ!と気持ちが爆発しそうになって。

私は力強く頷いた。