さりげなく距離を縮めてきた裕貴くんへの動揺を微笑みで隠す。
しかも下心とかないんだよこの人。見ててわかる。私の目は確かだから。
「改めてよろしく、麗ちゃん」
「こちらこそよろしくね」
仲良くなれそうだけど……振り回される予感……!!
と、屈託のない笑顔を見せた裕貴くんを見てそう思った。
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それからも一日ずっと書類作業で、あっという間に放課後になった。
私はお兄ちゃんと知世を待とうと既に下駄箱に来ている。
「お、あれ天使様じゃん」
「うわーめっちゃ可愛い。顔ちっさ」
待っている間も、通りかかる人の視線が止まず気が抜けない。
……早く来ないかなーお兄ちゃん達。
なんて思っていると。
「うらちゃん、お待たせ」
「…!知世くん」
「はる今職員室行ってるから、一緒に待ってよう」

