見せかけロマンチック




「おはよう麗」

「っ、おはよう!」

「…目腫れてんな」

「…気づいたかー。分かりやすい?」

「いや?よく麗の顔見てるやつじゃねえと気づかねえだろ」


いつものように笑って挨拶をした知世にホッとする。

いつも通りでよかった。元気そう。

「お父さん行ってきまーす!」と大きい声を出して、三人で外に出た。


「…ありがとな、昨日」

「え?」

「こんなに心が軽い朝は初めてだ」

「…っ、そっか」


吹っ切れたように笑う知世に、嬉しくなってしまう。

もしかして、今まで朝起きる度に不安だったのかな。

そう考えると、今の知世の笑顔はすごくスッキリしていた。


「うらから聞いたよ。よかったな知世」

「はるもありがとう。二人してブチ切れてんの、ほんと兄妹だなって思ったわ」

「お兄ちゃん怖かった?」

「今でも忘れられないぐらいには」

「そんなに俺怖かったっけ…?」