見せかけロマンチック




『麗のおかげだよ、ありがとう』

「…っ、知世が頑張ったからでしょ」

『いや、きっかけをくれたのは麗だ』

「でも、その後行動したのは知世ですー!」

『っ、ぶは!!お前、素直に受け取れよ……っはは!』

「……ふはっ、うん。じゃあ受け取る」


いつもの感じで言い合いをして、楽しく笑いあって。
当たり前だったことが、今はとてつもなく嬉しい。


『じゃあ、こんな時間に悪かったな』

「ううん。報告してくれてありがと」

『ああ。おやすみ』

「うん、おやすみ」


そう言って、切れた電話の画面を見つめる。

すると、ソファに座ってたお兄ちゃんが、ふふっと笑って。


「うら、ちゃんと知世に惚れてるんだね。可愛い顔してたよ」

「…っえ、可愛いってなに…っ!いつもと同じ顔だよ」

「恋してる顔。俺には向けてくれない顔」

「…っな!!」


お兄ちゃんは普段見せないような意地悪そうな顔をして。

…っ私そんな顔してた……!?と自分の顔を触る。