見せかけロマンチック




「…知世、話し合ってくるって」

「え?」

「向き合うって、覚悟決めてた」

「知世の心を動かすだけの力を、うらは持ってるんだよ」

「……私に?」

「うん。うらのおかげで、親友が一歩前に進んだ。ありがとう、頑張ったね」


お兄ちゃんが私の頭を撫でてそう言って、また涙が出そうになってしまう。

…っ、確かに私は背中を押したけど。
決断したのは知世だ。怖くて仕方ないだろう決断をした。
知世はすごいよ。


それがどんな結果であろうと、私は知世を笑わせたいっていう気持ちは変わらない。
幸せにしたい。愛したい。


「お兄ちゃん、私知世のこと好きなんだ」

「…!」

「知世が心折れかけても、私が目を覚まさせる」


ずっと背中を押し続ける。
それが、愛ってものでしょ。

そんな私の発言に目を見開いたお兄ちゃんは、嬉しそうに笑って。