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「うらおかえ……っ、うら!?」


知世の背中を押してから、そのまま家に帰ってきて。

玄関を開けると、時計を見ながらソワソワしていたお兄ちゃんが私を見て驚いた。

そりゃそうだよね。こんなビショ濡れで目を腫らしながら帰ってきたんだもん。


「…っ、お、兄ちゃん」

「うわっ、どうしたのうら!!」


お兄ちゃんの顔を見たら安心して、また涙腺が緩んで。
ビッチョビチョのまま抱きついてしまった。

こんな濡れてる私に抱きつかれたにも関わらず、心配して突き放そうとしないお兄ちゃん。


「…ちょっと、なに騒いでるの……って、麗!?どうしたのそんなに濡れて!」

「お母さん…っ」

「また風邪引くわよ、お風呂入ってきなさい」


お風呂上がりなのかタオルを首にかけたままだったお母さんは、私の姿を見て焦りながら私にタオルを被せた。

私は素直に頷いて、お風呂場に直行した。