自信のなさそうに聞いてくる知世に、ギュッと抱きしめる腕を強くする。
絶対に、なにがあっても。私は知世を一人にすることはない。
すると、知世が私の背中に腕を回して震えた。
弱い力で私の制服を握る知世に、胸が痛む。
雨でビショビショなのにも関わらず、そんなことは気にならなかった。
雨の音が響く中、知世から鼻をすする音が聞こえてパッと身体を離す。
「…知世?泣いてるの?」
「っ…ちが、う。泣いてなんか……」
「〜〜……っ!!」
知世の顔を覗き込むけど、雨のせいで泣いているのかよく分からなくて。
雨に濡れてるだけなのか、泣いているのか。
でも、知世の震えた声で、後者だとすぐにわかった。
震える知世の手を見て、声にならない感情がぶわっと来てしまう。
いつの間にか私の目からも大粒の涙が零れて、悔しくて悔しくてもう一度知世を強く抱き締めた。
どれだけ耐えてきたんだろう。
プレッシャーに押しつぶされそうになりながらずっと猫かぶって。
会社を継ぐ気はない、って言っときながら覚悟を決めて必死に勉強して。
家に帰る度に目に入る参考書に、どれだけ苦しんだか。

