見せかけロマンチック




見えてなかったの……!?

私の目を見て不安そう聞いてきた大槻くんに驚いてしまう。

…なんか、周りにいないタイプだ。この会話だけで素直な良い人ってことが読み取れる。

あまりにも純粋すぎる目に、自然と笑いが込み上げてきた。


「…ふっ、ふふ」

「?天羽さん?」

「ふふっ、ごめんね。そうだよ、私昨日スピーチしたの」

「あっ、やっぱり!?名前聞いたことあったからもしかしてって!」


私の返答にしたパッと顔を明るくさせた大槻くん。

……犬か?この人。
と思わされるほどの人懐っこさに、思わず圧倒されてしまう。


「ねえちょっと!裕貴くんと天使様が喋ってる……!!」

「うわーあの空間幸せすぎじゃない……?」

「なにこのクラス、当たりでしかないわ」


机を近づけて大槻くんに黒板の内容を教えながら話していると。
周りの子の声が耳に入ってきて二人して手を止めてしまった。

大槻くんと話してるだけで、さっきの倍ぐらい視線増えたんだけど……。