見せかけロマンチック




「ハァ…ハァ…」


バシャバシャと走って近くの公園に着いて、息を整えながらベンチに座る。
知世は今も呆然としながら私を見ていて。

雨に濡れた髪から除く瞳は、今にも壊れそうだった。


「麗……?」

「なに…!!」

「え、怒ってる……?」

「はあ!?あったりまえでしょ!」


いつもよりも弱々しい声で私を見る知世に、私はそう叫ぶ。
グイッと手を引っ張って無理やりベンチに座らせた。


「…ほんと、兄妹だな」

「え?」

「…俺は平気。いつものことだから」

「平気な奴はこんな傷ついた顔しません!」

「…でも、ほんとに大丈夫。麗が家にいるって思えば、いつもより強くなれた」

「…っ、なにそれ」


兄妹……?と分からず疑問を持つと、知世はそう言葉を続けて。

意味わかんないよ。いつもよりって?今でさえこんなにしんどそうな顔してんのに、いつもより平気なの?

ふざけんなふざけんな、平気って思い込んでるだけでしょ。


「いつもの知世じゃない……!!」

「え……」

「いつもの知世なら、言い返してたはずでしょ……!もっと自分の言いたいことズバズバ言える人でしょ……!」

「……!」

「なのに、さっきはまるでロボット!バッカじゃないの!」