見せかけロマンチック




痛くて苦しい。こんな重圧に、たった一人で耐えてたのか。


「…嫌なところを、見せてしまったわね」

「…っ、これは」

「あなたのお兄さんにも、同じことをしてしまったわ」


いつの間にか後ろにいたお母さんが、悲しそうにそう言って。
パッと振り向く。

……お兄ちゃん?お兄ちゃんもこの現場を見たの?


だからお兄ちゃん、私が知世ん家に行く前知世に『大丈夫なの?』って聞いたんだ。


「…これで、いいんですか?」

「え?」

「お母さんは、この状態でいいんですか?」

「……」

「首突っ込むつもりはありません。でも……私は、今すぐ知世を抱き締めたい」


傍観してるのが悔しくて、手をギュッと強く握る。
お母さんはこれでいいの?このままで。

知世のことを家族として想ってるなら……あなたが抱き締めてあげるべきだ。

看病した日、今まではいつも一人だったって言ってた。
知世がずっと孤独だったのは、あなたもお父さんと同じだったからなの?
だとしたら、私は許せない。こんなのおかしい。