「…父さん、母さん…?今日遅くなるんじゃ……」
「早く帰れることになって…えっと、お客さんがいたのね?」
「…あ、お、お邪魔してます」
この人達が、知世のお父さんとお母さん……っ!?
動揺してペコッと頭を下げる。
すごく綺麗な人達……まあそうだよね。こんなにも知世の顔整ってるんだし。
で、でも……これって、知世の地雷なんじゃ……っ。
どうするべきか分からず戸惑っていると、知世が立って私の手を引いて。
「…っ、知世?」
「帰ろう。送る」
さっきまでとは雰囲気が変わった知世に、言葉が詰まってしまう。
表情が、あまりにも空っぽだった。
知世の両親がいる所のドアに向かおうと連れられたまま歩いていると。
「…──知世」
そう、低くて威厳のある声が響いた。
それに一瞬ピタッと止まりかけた知世だったが、聞こえていなかったかのように歩き続けて。
…っ、知世。
「…いつまで逃げるつもりだ、知世」

