見せかけロマンチック




私の行動に面白そうに笑う知世は、キッチンに行って飲み物を取り出して。

コップに入れて持ってきてくれた。


「はいどうぞ」

「ありがとう」


私は起き上がって水を飲む。

ふぅ……なんかこの家で飲む水高級感あるな。

なんて思いながら水面を見つめてしまう。


私の隣に腰を下ろした知世は、ネクタイを緩めながらダラーっと背もたれに寄りかかって。


「…麗は俺のこと聞かねえのな」

「?知世のこと……?」

「俺、なんも話してねえのに」


知世の言葉に、パッと顔を上げて横を見る。
……それって、知世の事情だよね?


「んー、無理に話させる気ないし」

「……」

「まあ、知世が話したくなったら聞いてあげる」


話したくないことなんて誰にでもある。
私にはもうないけど。

一生話さなくてもいい。気になるけど、知世を苦しめたくない。
……恋以前に、愛があるから。


「…ほんと、お前かっけえな」

「最強なのよ私は」

「ぶは…っ!ああ、そうだな」